【ヒロアカ】【第五人格】我が個性、我が人格 (ページ7)

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もうわかっていますページ7

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『…忘れてた！手帳手帳！あれ無いといろいろやばい…。』

しばらくいつもの調子で食堂で談笑していたのだが、あっという間に時間は過ぎ、そろそろ教室へ戻ろうとした矢先大事な手帳を荘園内につくった自室に置き忘れていた事を思い出した。

自室までダッシュ一本。こういう時、地味に広いから困るんだよねこの荘園。

私が今取りに行っている手帳というのは、ゲーム内で探偵オルフェウス(プレイヤー)が持っていたサバイバーやハンター、荘園のことをまとめたあの手帳のこと。

あれはこの荘園から持ち出すことができ、個性を使う時に必要なのだ。

ちょっと古物だけど、皮の手帳って雰囲気あるよね。あのシンプルなデザインと端々に付いた傷がかっこよくて私は割と好き。

ちなみに自室というのもオルフェウス(プレイヤー)が推理という名のゲームをしていたあの部屋(二階も含む)だ。

確か一階の本棚前のソファー［推理の怪］に置きっぱなしだった気がする。

そんなわけで廊下を全力疾走していた私は見事に、パンをくわえた転校初日J Kの如く廊下の角でサバイバーとぶつかった。

「いてて…おはようA。廊下を走ると危ないよ…今みたいにね。」

『おはようそしてごめんノートン！今ちょっと急いでて…。』

ぶつかった相手、ノートンはサッと起き上がると未だ尻餅をついてひっくり返っている私に、手を差し伸べて起こしてくれた。
こういう時に自然とこういう行動出来るノートン紳士すぎる好き。なのに目が笑ってなくて陰キャ組感出てるのも最高に好き。

「A？」

『あーちょっっっと今急いでるからまた後で！』

心の中で陰キャ組と言ったのを目敏く察したのか、心なしか笑顔に影のさしたノートンに対し咄嗟に逃走体勢をとる。さっきの紳士は一体どこへ…。

「ふふ、冗談だよ。…そんなことよりキミの目的はコレじゃないかい？」

陰キャ組は私の中では褒め言葉でして…。と苦し紛れな言葉を並べる焦点の合わない私に、彼は自室にあった筈の私の手帳を取り出すと、起き上がる時に握っていた手にそっと手帳を置いた。紳士ここに再臨。