【ヒロアカ】【第五人格】我が個性、我が人格 (ページ22)

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皆、個性を使って爆音やキラキラ光るビーム等と共にゴールを切る。

個性のお陰で早く進んでいるのと指揮しているのが相澤先生だからか、50m走は普通より明らかにスピーディーに進んでいき、また例のようにぼーっとしているといつのまにか私の番になっていた。

50m走は私で最後の様子。出席番号順に進んでいるのだから苗字が“たてごと“の私が一番最後なのは明らかにおかしい。
しかしこれは間違いでもなんでもなく私の番号が本当に最後なのだ。

教室の席も一番後ろにひとり飛び出る形。

なんとなく入学前からも予想していたが、やはり特殊個性推薦の入学者は周りとは少し扱いが違うらしい。

法律によって保護された国からの推薦者だから仕方ないのだろう。学校側では変更できない規定でもあるのかもしれない。

しかし出席番号を最後にするのは何のメリットになるのか…。席順的に監視しやすい、とかだろうか。

『はー、めんどくさ…』

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スタートラインへと移動すると隣にいる相澤先生と目があった。

『私ひとりいると手前が増えるみたいで、何か…すいませんね』

そう笑って言うと「…悪いな、竪琴」と、何か言ってくるかと思っていたら意外にも少し申し訳なさそうにする相澤先生。

嫌味で言った訳でも無ければ、少なくとも先生の謝ることではないと思う。
決して私自身がそれに嫌悪感を抱いていない訳ではないが、先生の前で顔や態度に出した記憶はないしそんなあからさまな事をするつもりもない。

しかし先生は純粋に私だけ周りと違う対応になってしまうことに謝ってくれているのだろう。

『気にしてませんよ。
それより私、除籍されるつもり無いんで。…ちゃんと見ていて下さいね、先生』

「！…あぁ」

少し面食らった様子で、先生は答えた。
この人はきっと私も含めたクラス全員を平等に見ようとしてくれている。

良い先生と当たったなぁ、なんて思いながらスタートラインに立った私はオルフェウスの手帳を取り出した。

＿＿日記を読もう

＿＿推理をしよう

＿＿さあ、ゲームをはじめようか

シダの葉のマークが脳裏でグラリと揺らいだ気がした。