海水 ページ5
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水鉄砲を使って散々水遊びをしたあと
海の家に戻りお昼を食べ現在
(…緑君も意外と元気そう)
rd『見て？カニ』
md『食ベル？』
rd『これ食べれられるヤツ？』
パラソルの下に設置されたビーチマットに座って
何やら話している二人を遠目に見ていた
最初はどうなるかとも思ったが意外にも
元気が残っていた緑君に安堵する
きょーさんたち三人は何かを借りてくると言って
海の家に戻っていってしまった
ボーッとしていたせいで話を聞いていなかった
5分前の私を少し恨みながらも二人を眺める
(…海入ってないな…それに、さっきの水遊びの水も
あんまり被らなかったし…)
ふと思い出して荷物を端に寄せてから立ち上がり
波打ち際に近付く
「！…冷た…」
既に裸足になっていたので
遠慮なく足を海水につければ想像よりも冷たく
少し驚いてしまう
しかし引き上げずに足を浸からせてきれば水温に
慣れたので慎重に進んで膝の下に水が来る所まで来る
海の水はリハビリ用の流水プールとは少し違って
何となくベタベタとする気がするが嫌ではなかった
初めての海に浸かって“やっとこれた”と
少し感動していれば辺りが少し騒がしくなる
(…同じぐらい、…同じ高校生かな…)
騒がしくなった方をチラリと盗み見れば太陽光に
邪魔されようと背丈やはしゃぎ様から同じ年頃の
男の子達なのだろうと想像できる
しかし恨めしい事に彼らのいる方向に太陽が
あるせいで顔は見えず最終判断はできない
しかし随分とはしゃいだ様子の彼らの影響は
こちらまで届きかねないので邪魔をしないためにも
離れようと砂浜の方を振り返る
『うわｯ』
『えっ』
「あー…」
1番手前にいた男の人が勢いよく海の中に消えていく
のが視界の端に映る
“マズイ”と思ったのは私ではなかったようで
海の中に消えていく彼と遊んでいたもう一人の男の子
が驚いたような声をあげたのが聞こえる
とっさに目を閉じればその直後に頭から水を被る
膝下までしか濡れていなかったさっきまでの私が
嘘の様で私は今更“海に来た感”を1人で感じていた
目元の海水だけを軽く手で拭き取って目を開けば
バシャバシャと音を立てて焦った様に男の子が1人
走ってくるのが視界の端に映る
それに“ちょっと面倒だな”“どうしよう”などと
考えられる程には私の頭は冷静でスッキリしていた
水被ったからかな
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作者名：あおい | 作成日時：2024年1月27日 22時
