後輩 ページ21
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(どうしてこうなるかなぁ…)
『Aさんですよね
大先生の新しい彼女ですか？まさかコネシマ？』
『でも、らっだぁさん達と仲良いらしいで』
『え？じゃあ、らっだぁ？…あ、きょーさん？』
開始早々に新学期の最悪な洗礼をうけ
久しぶりに1人のお昼を楽しもうと思っていた矢先
目の前で永遠に喋り続ける二人
いや正しく言えば喋っているのは殆ど1人なのだが
(ショッピ君は安心だと思ったのに…!!!!)
『_…じゃあ大先生からっだぁさん？』
『さぁ…それよりチーノお前、先輩はお前のこと
知らんから今のところ知らんヤツに急に拉致られたと
思われてるで』
(知ってるうえで拉致されてビックリしてるの…!!)
私が現実逃避している間もずっと喋り続けていた
彼はショッピ君と同じ攻略対象
1年生の
チーノと呼ばれる二人しかいない後輩攻略対象だ
興味なさそうだったショッピくんの様子からチーノ
との接触も避けられそうだと少し喜んでいたのに
予想は大きくハズれた
会うこともないと思った長身の巨人には拉致され
無関心そうなショッピとは会話が生まれる
後輩であり攻略対象の彼らがいなくなれば
大声で泣き喚きたいところである
ci『あっ、そっか…すいませんでした、Aさん
俺ら1年生で大先生達から話聞いててAさんと
仲良くなりたいなぁと思って、仲良くしましょう！』
shp『どうも、俺は朝会いましたよねショッピです
コイツはチーノです…まぁ呼びやすいようにどうぞ』
ショッピくんの言葉に納得したのかやっと一方的に
話すのをやめて離れてくれる
チーノはニコニコと人懐っこそうに笑いながら
手を差し出してくる
しかし握り返さず控えめに会釈を返していれば
次はショッピくんが横から声をかけてくる
対照的すぎる二人のそれぞれの圧に苦しみながら
やっとの思いで声を絞り出す
「…どうも…あ、あの…申し訳ないんですけど
お昼食べたいのでまたの機会に…__」
ci『あ、じゃあ一緒に食べながら話しましょう！』
「…はい、…」
(心底逃げたい、今すぐに…
でも巨人の喋りと猫の無言は怖いからなぁ…)
背後の壁と自信の間に隠れていた惣菜パンを
前に突き出し逃げようと足を動かす
しかし後ろから手首をグイッと引っ張られて
あえなく逃走に失敗
これ以上の抵抗に意味はないだろうし
何より後輩との接し方が分からない
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作者名：あおい | 作成日時：2024年1月27日 22時
