②夢より原作優先で軌道修正始めます【wrwrd】【ら運営】 (ページ17)

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早とちりページ17

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「うーん…」

1人苦笑いで祭り囃子から離れた暗いベンチに座って
手元の水ヨーヨーを眺める

手を繋いで歩いていた筈が祭りに興奮して少しだけ
離れた隙にあおいちゃんとはぐれてしまった

唸っていても状況は変わらないがこれ以上動いても
ダメな気がして動けもしない

『ア』
「あ、…」

人の近づいてくる足音が聞こえて反射的に
顔を上げて音の正体である人物に目を動かしてしまう

赤の他人だと気まずいわ失礼だわで歩行者を
見つめるよは良くないなと思ったが予想に反して
それはよく知る人物だった

『こんな所ニ…』
「緑川さん？…お祭り来てたんですね」
md『…ラダオ君たちト、…』
「そうだったんですね」

我らが至上の緑くんは
ほんの少しだけ驚いたような表情をした

ゆっくり近づいてくると珍しく緑くんの方から
声をかけてくれるので内心大歓喜である

心を落ち着けてから話しかけるといつも通り
口数が少ないながらも頑張って言葉を返してくれる

「今は1人なんですか？」
md『…今、Aさんの事探してた所デス』
「…私？」
md『あおいさん？…が、探してて…偶々、会ったカラ
皆デ探すことにナッテ…』
「わ、わぁ…ごめんなさい
折角のお祭りなのに…手間かけさせちゃって」
md『エッ、ア、…イヤ…大丈夫デス…』

私の質問に
何か思い出したような顔をしてから返事をしてくれる

ビックリして聞き返せば言葉に詰まりながら経緯を
話してくれたので申し訳無さで死にたくなる

md『ジャア…連絡しますネ』
「あっ…スマホあるの忘れてました…」
md『…怒られるカモですネ』
「あー…」

怪我の確認だけするとスマホを取り出して連絡を
始める緑くん

あおいちゃんを盗撮しないように電源を切っていた
スマホの存在を忘れていた

緑くんは考える仕草をしたあと控えめに哀れみを
向けてくるので今のうちに言い訳を考えておこう

md『ア、…Aさん浴衣似合ってマス、…
ッテ皆が、…__』
「…あ、りがとう、…」
md『ｯア…違ｯ、く…ないケドｯ…!!』

ふと思い出したように呟く緑くんに思考が停止する

画面からこちらに目をやる緑くんの表情をみて
穴があったら入りたいと心底思った

緑くんからいきなり褒められたと思って羞恥と喜びで
死にかける私を見て慌てる緑くん

今俯瞰的視点から私達を見れば
だいぶ青春真っ只中の少年少女に見えるかもしれない