②夢より原作優先で軌道修正始めます【wrwrd】【ら運営】 (ページ16)

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視線に込められた感情ページ16

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※三人称

「あおいちゃん上手！」
『本当？ありがとう！』
「皆あおいちゃんのこと凄く見てたよ！」
『それは、ちょっと恥ずかしいかも…』

パンパンッと音が鳴り響き的になっていた缶が次々に
倒れていきカランカランとベルの音が祝福した

その屋台には目を輝かせるAの姿と
コルク銃片手に喜んでいるあおいの姿があった

店主から景品を貰い屋台を離れると二人は
先ほどまでいた屋台をふりかえった

あおいが的を射る後ろでは通りすがりの大人子供が
その姿を見ようと足を止め列をなしていた

興奮気味に話すAを見てあおいはただ
楽しそうで良かったとだけ考えていた

(でも、別の視線もあるんだけどなぁ…)
「射的も上手で可愛いから色んな人がいっぱい
あおいちゃんのこと見てて…__」
(…いっぱい喋ってるAちゃん可愛いなぁ)

嬉しそうに自分のことを話すAを横目に
見ながらもあおいはそっと目を細めた

Aは気づいていないが学校でも男女ともに
人気があるあおいは慣れで嫌でも気付けてしまう

自分に向けられる視線と別の視線に

気遣いのできるあおいは周囲をよく見ているので
別の視線を向ける友達と彼女の友人に気付いていた

最初は彼女の友人に向けられる訝しげな視線に
少し戸惑っていたがいつの間にか好奇へと変わった
ことで更に困惑しつつも少し安心した

友人である眼鏡の彼やニット帽の彼からの視線は
慣れている心地よいかと言われるとそうでもない

しかし視線に疲れようともあおいは初めてで1番の
友達のAの存在がある限り笑顔を絶やさない

「あおいちゃん？」
『どうしたの？』
「…ううん、ごめんね何でもないよ
何か気になる所あった？」
『あ、じゃあ
Aちゃんと一緒に行きたい所があってね』
「うん」

話が途切れないようにと気を使って必死に口を動かす
Aを見てあおいが癒やされていれば返事のない
あおいを心配してAが控えめに声をかけた

あおいはハッとしながらも心配してくれる優しい
友達に更に笑顔で返事をした

Aはその笑顔に自分の心がキュンとうずくのを
必死に抑えながら言葉を紡いだ

再び繋がる手は夏の暑さとは別の
優しい温もりが伝わっているようだった

『かわええな…』
『キモいぞ』

『あ゙ー…A嬉しそゔ…!!』
『仲良しだね』

二人が互いの激重感情に気づくのはいつだろうか