②夢より原作優先で軌道修正始めます【wrwrd】【ら運営】 (ページ14)

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視線ページ14

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『Aちゃん、見て！』
「わ、おっきいね〜…」
『半分こしない？』
「えっ、…い、いいの？」
『うん！』

女子高生二人が手を繋いで
お祭りではしゃぐ姿はきっと異様だろう

普通が分からない私でも思うぐらいには特殊だと
思うがあおいちゃんが楽しそうなので全て良し

ツヤツヤの飴のコーティングに大きな林檎
林檎飴の屋台の前で立ち止まって二人で目を輝かせる

1つ林檎飴を買ってから屋台と屋台の間のなるべく
邪魔にならない所で二人で一口ずつ食べる

「わ、…」
『…林檎も飴も美味しいね！』
「うん、そうだね…美味しい」

飴細工の甘さが口に広がると同時に
控えめな林檎の酸味が広がってスッとなる

二人で目を合わせて林檎飴の味に盛り上がる

大きめな一口を食べた私と違って小さな一口の
あおいちゃんは次を食べようと私の手からそのまま
カプッと林檎飴を一口頬張った

最推しにあーんをした大罪を犯してもなお
許される気がして既に夏祭りが楽しい

『あ、みへ、…見てアッチに…__』
「…ふふ」

再び歩き始めるとすぐさま何かを見つけたようで
あおいちゃんはしっかり林檎飴を食べ終えてから
楽しそうに話し始めた

(あー…可愛い…贅沢を言うと皆も見たかったけど、…
これだけでも充分生きる糧になるなぁ…)

可愛い最推しを眺めながら
そこにはいない彼らの顔を少しだけ思い出した
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※三人称

『…可愛いな』
『お前、また…』
『まずアレ見た方がええで』
『…あおいとA…確かに…』
『やろ？』

賑やかな祭り囃子を無視してまるで店番でもしている
かのように堂々と屋台の椅子に座っている

その男は眼鏡の上にオモチャのサングラスを重ね
浴衣を随分着崩して遠くを見つめている

その男を見て呆れたように真面目そうな黒髪眼鏡の男
が近寄ってきた

着崩した男が真面目そうな男を引っ張り無理矢理に
肩を組むと林檎飴の屋台の前を指さし得意気に囁く

眉間にシワを作ってから林檎飴の屋台の方を見て
数秒ほど黙ったあと気恥ずかしそうに呟いた

何故か得意気な男は肩を組むのをやめると楽しそうに
再び林檎飴の屋台の方を眺め始めた

『二人で何してんの？』
『シャオロン…』
『んー…シャオちゃんの好きな子の観察』
『え、…ｯ、…ど、どこおるん？』
『秘密♡』

彼女達が熱い視線に気付くのはいつになる事だろうか