間違えて夢主を殺してしまったら15【リクエスト】 ページ23
___今でも思い出す。
俺が、泣き崩れているAさんを見て何を思ったか。
俺のせいで不幸になっているのなら、最後まで不幸で終わらせたい。
俺も闇AUに居て、随分と似たような思考になってしまっているのが分かる。せめてAさんは巻き込みたくは無かった。これ以上巻き込みたくなかったというから一週間も距離を置いたというのに。
こんな事を考えている俺は、自分自身が信用出来ない。だってこんなにも、
Aさんを殺したくて堪らないのだ。
衝動的な殺人ではない。闇AUの仕事として殺すのでもない。
俺は今、私利私欲でAさんを殺そうとしている。
「クロス、あの日に言ってたよね。クロスには色々とお世話になったから、私にも言わせて欲しい。
Aさんの言葉を聞いて、俺の中でプツリと線が切れた音がした。それも、切れてはいけない線が。
この感覚を俺は知っている。ナイトメア先輩と共にUNDERVEASEで、俺の新しい世界を作ろうとした時に似ている。あの時も、俺は私利私欲で動き、多くの犠牲を出した事は理解している。それでも今回ほど罪悪感に苛まれたのは初めてだ。それも他の誰でもない、Aさんに向けているだからなのかもしれない。
ぽたぽたと赤い液体が地面に垂れる。俺が刺したナイフは、そのままAさんの血と共に地面に落した。
「......ごめんね、クロ、ス......」
そう言うとAさんは、そのまま地面に倒れ込んだ。
自分の手を見て、自分がした事を思い返す。今更これが正しかったのかなんて考えない。俺は、自分が今どんな気持ちなのかが知りたいのだ。
俺はただ、Aさんが幸せになってくれればそれで良かったのかもしれない。それでも、現実はそうはいかないから、俺は最後までAさんを不幸で染め上げた。
不思議と、笑いも悲しみも湧いてこない。湧いてくるのは、達成感と安心だった。それが、今どれだけ自分が狂気に満ちているのかが分かる。
あぁ、そうか。
「一番おかしかったのは、俺だったんですね。Aさん」
二度と返事は無いと分かっていながら、俺はただAさんだったものを見てそう呟いた。
ーーーー
次に続く
あとがき
深夜テンションで書き上げたものです。正直言って自分でも内容あんまり理解してません笑
徹夜で仕上げたので、色々とおかしい部分もありますがよろしくお願いします
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