間違えて夢主を殺してしまったら3【リクエスト】 ページ11
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予め持ってきた折りたたみ式の椅子に座りながら、そんな事を考えていると彼も私の隣の椅子に座った。夕焼けに照らされて少しオレンジ色に見える彼の横顔は、いつもの彼とは思えないほど一段とかっこよく見えた。
「......A、今日は楽しかったか？」
思わずえっ、と聞き返す。さっきまで楽しそうにピクニックを満喫していた彼が、突然風に流されてしまいそうな程小さな声で言うので、私は思わず言葉が詰まる。しかし彼の表情はいつも通りの笑顔で言うので、私は少し動揺しつつも彼と同じく小さく答えた。
「......そうか！もちろんオレ様も楽しかったぞ！また......いや、なんでもない！」
彼は何かを言いかけたが、直ぐに何でもないと誤魔化されてしまった。私は何か大切なことを言おうとした様な気がして聞き返そうと思ったが、気付けば彼が立ち上がってしまったので残ったのは声にならなかった私の疑問だけだった。
......少しボーッとしていたみたいだ。彼の方を見るとかなり前に居て、あと数歩歩けば落ちてしまう断崖絶壁に立っていた。私は嫌な予感がして、彼の横に走って向かおうとした。
筈だった。
気付けば私は宙に浮いていた。
＿＿＿声が聞こえる。
微かに聞こえるので耳を澄ませてみると、やっとはっきり聞こえる様になった。
「A......！嘘だ、死んじゃダメだ......！......オレの、せいで......」
誰かが私の体を揺らしているが、生憎その声の主を確認しようにも上手く目を開けられない。かろうじて微かに目を開くと、見慣れた顔なのに見たこともない表情をしている彼が居た。
あぁ、少しだけ思い出してきた。彼の隣に行こうと思ったら、振り返ろうとした彼の足に私の足が当たっちゃったんだっけ。そのまま私は崖の上から落ちてしまったのか。こんな森林の奥じゃきっと助からないだろう、頭を激しく打って酷く思考が鈍くなっていてもそれだけは理解できた。
「A......！オレ......嬉しかったんだ、誘ってくれて......また行きたいって、言いたくて......！」
微かに目を開けた私に気付かず泣きながら彼は言う。顔は涙でぐちゃぐちゃになっていて、かっこいいロイヤルガードがそんな顔してて良いのか、なんて呑気な事を考える。いや、どうせ死ぬと分かっているから尚更なのかもしれない。
「A......！ごめん、ごめんなさい......」
最後に彼がもう一度私を見た瞬間、そこで私の意識は途絶えた。
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次に続く
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kaki氷 - 1から見ました！(今はAM0:04)面白かったです！ (6月17日 0時) (
レス) @page23 id: 904d7cdbaa (このIDを非表示/違反報告)
ラクア - やばい、面白すぎ (2023年4月5日 23時) (レス) id: 17f83c8a42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ(プロフ) - リクエストです！ナイトメアとイチャイチャ()と、もしマーダーのパピルスが見えたら？お願いします！更新楽しみに待ってます！ (2023年2月11日 17時) (レス) @page23 id: f3d0772f96 (このIDを非表示/違反報告)
てみーっ！ - 次のやつ楽しみｯ！ (2022年7月11日 0時) (レス) @page23 id: cdc6449edb (このIDを非表示/違反報告)
ヤユ - リクエストしていいですか？夢主が殺人病になってしまったらが見たいです！ (2022年6月30日 21時) (レス) @page23 id: 6b4f0c7f0d (このIDを非表示/違反報告)
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