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4-3(終) ページ10

3人が出ていった廊下を見ながら、ぐるぐると先程の事を考えていた。

…やっぱりあかん。ちゃんと謝らな。

教室を出ると、すぐそこでこちらに背を向けて話している謙也達がいた。

「…俺は、」
「あ、あの」

「あ…ごめん!気にせず続きどうぞ!」

「…どうぞて…」
「言われてもな…」

タイミング悪く、何かを言おうとした財前くんと言葉が被ってしまった。
焦って会話を勧めると、顔を見合わせる3人。…心做しか財前くんの耳が赤い…?

「え…ごめん…」
「いや大丈夫やで」
「どしたんゆさ」

白石くんと謙也に促され、口を開いた。

「……その、さっきの…財前くんに謝ろうかと…」

改めて財前くんに向き直り、控えめに頭を下げる。

「…さっきはごめんなさい。びっくりしてつい…」
「…」
「怒ってる?」
「…べつに」

嘘や…絶対怒ってる

「…顔上げてください」
「……はい」

下げていた頭をあげる、けれど気まずくて顔は見れない。

「こっち向いてください」
「…?」

恐る恐る財前くんの顔を見ると、ツンとしていた表情が和らぐのが見えた。

「やっとこっち、見た」
「え?」

財前くんは少しだけ口角を上げ、口を開いた。

「許してあげてもええですよ」
「…ほんま!?」

ほっとして、私も笑った。
嬉しそうな謙也が、がばっと財前くんの肩に腕を回した。
白石くんも逆側から肩を組んだ。

「仲良しやん!」
「よかったな、財前!」
「まだおったんすか」

「ずっといたわ!」
「財前嬉しいな!」
「うるさ」

「可愛いやんけ〜」
「うざ」

楽しそうな3人をニコニコと見ていると、ふと思い出した。

「…そういえば、さっき何話してたん?」
「いや別に…」
「大した話やあらへん…」
「え、なんか急に目逸らすやん」

あからさまに様子がおかしくなった2人を交互に見る。
我関せずと言った感じで携帯を見ていた財前を、2人がじっと見る。
視線に気付いた彼は携帯で口元を隠し、こちらを見た。

「…好きな人の話」
「え!?」
「冗談すわ」

可笑しそうに笑う財前くんは、本当に楽しそうだ。

「財前〜…!?」
「財前〜…!」

白石くんと謙也は両隣から抱きつこうとした、が財前くんは屈んで後ろに下がって避け、結果的に白石くんと謙也が抱き合う事になった。
避けた財前くんは携帯を構えており、その携帯からはパシャっとシャッター音が鳴った。

「じゃ、授業始まるんで」

そう言い、何事も無かったかのように自分の教室へ帰って行った。

「「いや写真!」」

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作品ジャンル:恋愛
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におー - 更新楽しみに待ってます! (2020年8月6日 7時) (レス) id: 804a9814c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめこ(プロフ) - ここの財前くんすごい可愛くて好きです…。いつも楽しく読ませてもらってます。 (2019年10月21日 1時) (レス) id: a01c44eded (このIDを非表示/違反報告)
ふじりんご(プロフ) - あっっ こういう系好き… (2019年9月12日 20時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 私は関西人です嬉しいです (2019年9月4日 13時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - テニラビやってますやられてますか?私はみかんですねんという名前でやってますよかったら申請お願いします!あと更新頑張ってください私も光くん好きです (2019年9月4日 11時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さゆ | 作成日時:2019年3月19日 8時

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