７-2(終) ページ21
「そろそろ出よか」
ふと、時計を確認したオサムちゃんが口を開いた。
「はーい」
話をしていたらあっという間で、もうあと5分程で授業が終わるかという時間になっていた。
この教室は教師以外立ち入り禁止なので、私が出入りしているのを他の生徒に見られるとまずい。
施錠をし、職員室まで向かおうと歩き出したら、角から財前くんが現れた。
「…え？」
「お、天才財前くんやん。まだ授業中やでぇ」
「あー…トイレっすわ」
チラ、とこちらを見る財前くん。
「…先輩は？」
「先輩？…あ、谷ヶ崎か。おるん忘れてた」
「オサムちゃん！？」
ひどない！？道理で普通に話しかけるなと思た！
「2人で何してたんすか………え、もしかして」
「「いやいや違う！」」
訝しげな顔をした財前くんに、思わず声が揃う。
「じゃあなんなんすか。そこって立ち入り禁止ですよね。」
「あー…」
私がこの教室に出入りするようになってから半年、誰にも見つからなかったから完全に油断していた。
なんて説明しようかと、オサムちゃんはこちらを気遣いながら口を開いた。
「…まあ特例っちゅー事や。」
「…へへ」
オサムちゃんはそう言いながら私の頭にぽんと手を置いた。
やっぱこんなお父さん欲しいなあ。
財前くんは首を傾げながら口を開いた。
「まあなんやよーわからんけど。…黙っとくんで今度は俺も入れてくださいね」
「えっ！？問題児増えてもーた〜」
「まって問題児って私？」
「他に誰がおんねん」
「いや優等生やろ…？」
「「どこが」」
「ハモらんでもよくない！？」
＊
授業の終わりを告げる鐘が鳴り、各教室から生徒が出てくる。
オサムちゃんは先程職員室に入って行った。
それじゃあ、と自分の教室に向かおうと背を向けると、スッと隣に財前くんが並んだ。
「…謙也さんに用事あるんで」
そう言われ、一緒に私の教室にいく事になった。
「財前くんはさっきどこにいたん？」
「…財前くんの営業は終了しましたけど」
「ええ？」
突然すぎて間抜けな声を出してしまった。
もしかして呼び方？
「……財前？」
「正解」
そう言って笑う財前く…財前の顔がすごく可愛くて、そんな顔もするんだなあと他人事のように思う。
「よーできました」
と、頭をぽんぽんと撫でられた。
オサムちゃんに撫でられた時とは違い、なんだかむず痒い気分になる。…悪くは無い。かも。
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この話、最初らへんに書いたけど入れ忘れてたやつです。
どあほ。
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におー - 更新楽しみに待ってます！ (2020年8月6日 7時) (
レス) id: 804a9814c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめこ(プロフ) - ここの財前くんすごい可愛くて好きです…。いつも楽しく読ませてもらってます。 (2019年10月21日 1時) (レス) id: a01c44eded (このIDを非表示/違反報告)
ふじりんご(プロフ) - あっっ こういう系好き… (2019年9月12日 20時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 私は関西人です嬉しいです (2019年9月4日 13時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - テニラビやってますやられてますか？私はみかんですねんという名前でやってますよかったら申請お願いします！あと更新頑張ってください私も光くん好きです (2019年9月4日 11時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆ | 作成日時：2019年3月19日 8時
