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6-3(終) ページ18

「え、なになになに」

いきなり振り向いたかと思うと、こちらをじ〜〜っと見つめてくる財前くん。
何事かと1歩後退れば、財前くんも1歩詰めてくる。そのまま3歩ほど下がると窓際まできてしまった。行き止まりだ。横に逃げようとしたのがバレたのか窓に手をつかれ、左右の道を塞がれた。逃げ場がない。完全に捕まってしまった。
なんか壁ドンみたいな事になってない…?

「ご、ごめん…?」

耐えきれず、顔を逸らしてしまった。なんだか怒っているみたいなので、何が悪いのかもわからないがとりあえず謝ってみる。
それでもじっと、視線を感じる。
というか近い

「な、なに…?怖いんやけど…謙也の話したからとか…?あの、財前くん…?」

ピクリと眉が動いた、ように見えた。

「…それ」
「え?」
「その呼び方。」
「…うん?」
「俺の事、呼び捨てで呼んでください」
「え?あ、うん…。
…ん?」

びっくりした。やっと口を開いたかと思えばそんな事を言うなんて
ふと周りに目をやると、おかしな体勢だからかジロジロと見られていることに気付いた。

「ほら」
「え?」
「言わなこのままです」
「いや、えっと、割と目立ってるんやけども…?」
「そうですね」
「…財前くんも目立つん好きやないと思ってたんやけども…」
「そうですね」
「そやのに離れんのはなんで…」
「ええから早く」
「……」

何を言っても引く気は無い様で、瞳から伺えるその意志は強固だ。

めちゃくちゃ恥ずかしいけどしゃーない…

「…………ひ、光…?」
「…」

意を決して呼んだのになんの反応もなく、恐る恐る財前くんの方を見ると何故か固まっていた。
何事かと凝視していると、視線に気付いたのかハッとして口を開いた。

「…あー、上出来っすわ」

そう言って私の頭を撫でた。
頭の中はハテナで埋まっていたがふと、頭を撫でている事により開いた右側から逃げられることに気付いた。
撫でられる手が止まったら行こう、と覚悟を決め顔に視線を移すと少し赤くなった頬とすごく優しい顔をした財前くんがいた。

ぼんっと音が鳴るくらい一気に顔が熱くなった。
あ、だとかう、だとか言葉にならない声しか発せず、急いでそこから抜け出し教室まで駆け出した。慌てすぎてこけそうになりながらも、急いで走った。

「っふは、なんやあれ」

後ろで財前くんが笑ってるような気がした。

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設定タグ:テニプリ , 財前光   
作品ジャンル:恋愛
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におー - 更新楽しみに待ってます! (2020年8月6日 7時) (レス) id: 804a9814c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめこ(プロフ) - ここの財前くんすごい可愛くて好きです…。いつも楽しく読ませてもらってます。 (2019年10月21日 1時) (レス) id: a01c44eded (このIDを非表示/違反報告)
ふじりんご(プロフ) - あっっ こういう系好き… (2019年9月12日 20時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 私は関西人です嬉しいです (2019年9月4日 13時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - テニラビやってますやられてますか?私はみかんですねんという名前でやってますよかったら申請お願いします!あと更新頑張ってください私も光くん好きです (2019年9月4日 11時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さゆ | 作成日時:2019年3月19日 8時

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