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第35話 音楽 ページ39

Aside


「頭パンクしそう……」


卓巳くんが床に倒れ込む。


「テスト範囲ここまでだし、休憩したら?」


そう提案すると卓巳くんは、すぐに起き上がった。

私も疲れた……
大きく伸びをしていると、卓巳くんがドアノブに
手をかけながら聞いてきた。


「俺リビング行くけどAはどうする?」

「私は部屋にいようかな」

「ん、了解」


足音がどんどん遠ざかっていく。

私はバッグからイヤフォンとスマホを取り出した。
画面を操作して、最近お気に入りの曲を流す。

それは、いつもみたいに明るい曲じゃなくて
静かで綺麗な曲。


前はこんな感じの曲は苦手だったんだけど
この高校に来てから……ううん、卓巳くんや先輩達と会ってから好きになった。

きっと私は、ただ曲を聴いているだけで、それで
寂しさを埋めていたんだと思う。


歌詞やメロディなんて聴いてなかった。

だから最近、曲を聴いた時思った。


こんな綺麗な曲だったんだ……って。




「ひゃっ!?」


ドアが急に開いた。驚いて間の抜けた声が出る。

イヤフォンつけてたから、廊下を歩く足音に
気づかなかったのかな。


「びっくりした……卓巳くんか」


まだドキドキしている胸を押さえる。


「わりぃ、いつもは人居ねぇからさ」


反省した様子で、肩を落とす卓巳くんに
慌てて「大丈夫だよ!」と言った。

卓巳くんが顔を上げる。
その視線は、私の耳元で止まった。


「また音楽聴いてんのか?」


あ、イヤフォン見てたのか。
卓巳くんの隣に座って、片方のイヤフォンを外す。


「まあね、また聴く?」

「うーん、じゃあ」


私からイヤフォンを受け取って耳に当てる。

しばらく聴いていると、卓巳くんがぽつりと
言った。


「前とは大分違ぇな。前もっと明るい曲聴いて
なかったっけ?」

「うん、そうだよ!最近ハマったんだ」


と、ちょうど聞いていた曲がサビに入った。

この曲は、恋を自覚せず片思いをしている女の子の
曲らしい。


«何でか分からないけど 君といると変になる»

«この気持ちは何なんだろう»

«これが恋?»


隣の卓巳くんがそわそわしているように見えるのは
気のせいなのかな……

第36話 これが恋?→←第34話 勉強!



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設定タグ:セクメン , 卓巳   
作品ジャンル:恋愛
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まりも(プロフ) - 時雨 都さん» ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくです!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2016年9月14日 20時) (レス) id: 7ccd4d3623 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 都(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!! (2016年9月14日 19時) (レス) id: cd89bf99bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりも | 作成日時:2016年8月9日 16時

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