第25話 慣れてきたけど ページ28
卓巳side
「大丈夫ですよ!私一人暮らしなので」
Aの言葉に、皆俺と同じように驚いた。
「……一人暮らし?」
海先輩がもう一度聞くと、Aはなんで皆驚いているのか分からないみたいで、戸惑いながらも
「え……?はい」と答える。
「ちょっと待ってて」
じゅんぺい先輩がそう言って、俺達を集めた。
Aに聞こえないように小さい声で話す。
「さすがに、夜に女の子を一人で歩かせるわけには行かないよな……」
じゅんぺい先輩が珍しくまともな事を言う。
「すーはね、誰かの家に泊めてあげたほうがいいと思うよー」
昴先輩はなんだかニヤニヤしながら、一旦言葉を切る。
「卓ちゃんの家、とかね♡」
「え!俺っすか?」
思わず大声を上げて立ち上がると、先輩達にすぐ座らされた。
「だって、じゅんぺいちゃんもサイハちゃんもAちゃんに何するか分からないし、卓ちゃんの家にはお姉ちゃん3人もいるし安心でしょ?」
た、確かにそうだけど流石に家に泊めるのは……
言おうとしたが強引に決められた。
「はーい、これで決定ね!」
「えええええ!?」
「Aちゃんにも、伝えといてね!卓ちゃんが!」
俺の名前を強調していう昴先輩。
拒否権は無いのかよ!
最近は女子にも慣れてきて、Aといても顔が熱くなる事は少なくなってきた。
だけど流石にこれを言うのは……
「卓巳くん、話って何?」
「えーっと、それはその……」
口ごもっていると、明らかに不機嫌そうなサイハ先輩に脅される。
「ったく、これだからチェリーは……さっさと言えよ、じゃねぇと殺す」
Aの前で俺のコンプレックスを暴露しないで欲しい。気づいてないみたいだからいいけど。
「わかりましたよ……」
久しぶりに熱くなる頬。
少し深呼吸をして、落ち着いてから俺は口を開いた。
「あのさ……答案盗む日、俺の家泊まれよ」
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まりも(プロフ) - 時雨 都さん» ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくです!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2016年9月14日 20時) (レス) id: 7ccd4d3623 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 都(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!! (2016年9月14日 19時) (レス) id: cd89bf99bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2016年8月9日 16時