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第14話 喧嘩(2) ページ17

サイハside


嗅ぎなれた薬の匂いがする保健室のドアを開ける。

いつも通り誰もいないベッドに、Aを寝かせた。

俺の気に入っている場所だからか、ここに来る奴はほとんどいない。


「ここに置いておけば、他の奴に壊される心配もないな」


そんな独り言を言う。

そろそろ卓巳達の様子見に行ってみるか。

注射器を持って、保健室を後にした。


***********************


派手にぶっ壊れた1年A組の教室に、足を踏み入れる。中には欄麻と媚堂がいた。


「避けろ!媚堂!!」


チッ、バレたか。
欄麻の甲手に引き裂かれ、持っていた注射器の中身が床にばらまかれる。


「てめぇ、どういうつもりだ……?」


ギロリとこちらを睨みつけてくる欄麻に、ニヤッと嗤う。


「なぁに、ちょっとした興奮剤だよ。もっとテンション上げてかなきゃ、つまんねぇだろ?」


欄麻の顔が険しくなった。


「媚堂、お前はあの一年を潰してこい」

「で、でも兄貴……」

「いいから行け!!」


媚堂が心配そうに欄麻を見ながら走っていく。

一匹逃がしたか……


「やっぱり手を出してきやがったな…!お前は今ここで潰すッ!!!」


身体中の血が急に熱を持ち始める。


「お前はそういう奴だと思ってたぜ!欄麻!とことん全力でやり合おうじゃねぇか!」


***********************


「ククク……フラグ立てるの上手いよなぁ、お前」


足元に崩れ落ちる血だらけの欄麻を見ながら、顔についた返り血を拭く。


「そろそろだな……」


欄麻を蹴り飛ばして壁をぶち破り、自分も一緒に外に飛び出す。

思った通り、その向こうには驚いた顔で血だらけの欄麻を見つめる媚堂と、目を見開いている卓巳がいた。


俺は、卓巳を横目で見ながら言った。


「よお、楽しそうだな 卓巳」









*作者*
最近、更新遅くなってしまってすみません……

第15話 喧嘩(3)→←*作者からお知らせ*



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設定タグ:セクメン , 卓巳   
作品ジャンル:恋愛
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まりも(プロフ) - 時雨 都さん» ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくです!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2016年9月14日 20時) (レス) id: 7ccd4d3623 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 都(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!! (2016年9月14日 19時) (レス) id: cd89bf99bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりも | 作成日時:2016年8月9日 16時

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