第14話 喧嘩(2) ページ17
サイハside
嗅ぎなれた薬の匂いがする保健室のドアを開ける。
いつも通り誰もいないベッドに、Aを寝かせた。
俺の気に入っている場所だからか、ここに来る奴はほとんどいない。
「ここに置いておけば、他の奴に壊される心配もないな」
そんな独り言を言う。
そろそろ卓巳達の様子見に行ってみるか。
注射器を持って、保健室を後にした。
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派手にぶっ壊れた1年A組の教室に、足を踏み入れる。中には欄麻と媚堂がいた。
「避けろ!媚堂!!」
チッ、バレたか。
欄麻の甲手に引き裂かれ、持っていた注射器の中身が床にばらまかれる。
「てめぇ、どういうつもりだ……?」
ギロリとこちらを睨みつけてくる欄麻に、ニヤッと嗤う。
「なぁに、ちょっとした興奮剤だよ。もっとテンション上げてかなきゃ、つまんねぇだろ?」
欄麻の顔が険しくなった。
「媚堂、お前はあの一年を潰してこい」
「で、でも兄貴……」
「いいから行け!!」
媚堂が心配そうに欄麻を見ながら走っていく。
一匹逃がしたか……
「やっぱり手を出してきやがったな…!お前は今ここで潰すッ!!!」
身体中の血が急に熱を持ち始める。
「お前はそういう奴だと思ってたぜ!欄麻!とことん全力でやり合おうじゃねぇか!」
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「ククク……フラグ立てるの上手いよなぁ、お前」
足元に崩れ落ちる血だらけの欄麻を見ながら、顔についた返り血を拭く。
「そろそろだな……」
欄麻を蹴り飛ばして壁をぶち破り、自分も一緒に外に飛び出す。
思った通り、その向こうには驚いた顔で血だらけの欄麻を見つめる媚堂と、目を見開いている卓巳がいた。
俺は、卓巳を横目で見ながら言った。
「よお、楽しそうだな 卓巳」
*作者*
最近、更新遅くなってしまってすみません……
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まりも(プロフ) - 時雨 都さん» ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくです!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2016年9月14日 20時) (レス) id: 7ccd4d3623 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 都(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!! (2016年9月14日 19時) (レス) id: cd89bf99bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2016年8月9日 16時