第11話 女子慣れしてないから ページ13
卓巳side
「ほんとは忘れてたわけじゃないからね!」
Aが、俺の腕に包帯を巻きながら焦った様子で言う。
卓「別に怒ってねぇよ」
「本当?よかった!」
安心したのか嬉しそうな顔をするA。
こんな事くらいで顔が赤くなる、女子慣れしていない自分が情けなく思える。
気づくとAに、顔をじーっと見られていた。
卓「な、なんだよ/////」
慌てて腕で頬を隠すと、Aは笑って言った。
「なんか、卓巳くんとは普通に話せるなって思って!」
普通に?どういうことだ?
卓「普通にって、他の奴らとかとは普通に話せないってことか?」
「うん、同じ学年の男子に対してはなんか緊張して話せないんだよね…」
あー!だから自己紹介の時とかあんなに緊張してたのか。こうやって話してるとそうは思わないけど。
卓「でも、なんで俺だけ平気なんだ?」
「多分…、あっ!なんでもない!」
微妙に誤魔化される。
卓「気になるじゃねぇかよ!教えろよ!」
「やだー!まだ包帯巻き終わってないから静かにして!」
しょうがなく一旦黙った。
「よし!後は頭だけだー!」
前髪を持ち上げられて、少し顔を近づけられる。
「っ!/////」
顔が熱い。
なんかいい匂いするし…って、本当に何思ってんだ俺!!本当に自分が嫌になる…
「終わったよ!立てる?」
よかった、Aには気づかれてないみたいだ。
卓「お、おう!サンキュ!」
「どういたしまして!」
立ち上がって、気づくと空はもう暗くなり始めていた。
卓「家まで送ってってやるよ。」
「大丈夫だよ!卓巳くん怪我してるし無理させたくないもん!」
卓「そうか?分かった。」
「うん!救急箱戻してくるから、先に帰ってて。」
卓「りょーかい、気をつけて帰ろよ?」
Aはうなずいて、手を振った。
「また明日ねー!」
卓「ああ!」
学校を出て家に向かう。
いつもは面倒臭いと思うのに、明日の学校がすごく楽しみに思えた。
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まりも(プロフ) - 時雨 都さん» ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくです!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2016年9月14日 20時) (レス) id: 7ccd4d3623 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 都(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!! (2016年9月14日 19時) (レス) id: cd89bf99bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2016年8月9日 16時