灰谷兄弟の姉3 (ページ10)

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蘭と手を繋ぎたかったけどさっきのことを思い出して距離を置く

「あ、お姉さんも来たんですね〜」

「もう来ないかと思った」

先に行ってた3人は既に座っていて、竜胆の隣は女の子にキープされていた

「蘭こっちに座って」

もう1人の子が甘えるような声を出して蘭の手を引くと、蘭も素直にそこに座る

そこにはもう私の座る席なんて残ってなくて、いわゆる誕生日席に座ることに

これのどこが特別な席なの

竜胆「じゃあ俺ら買いに行ってくるから好きなの言って」

「え！竜胆優しい！」

女の子は竜胆に抱きつく
水着だから素肌が大分密着していて、思わず見てしまうと女の子に睨まれた

「私たちかき氷食べたい！」

「あ！いいねかき氷！」

竜胆「ん、かき氷ね
兄貴行こうぜ」

え、私だけこの場に置いていくの…？

2人の背中を目で追いかけていると

「あの〜お姉さんって本当に2人のお姉さん？」

「え？」

「なんか姉弟にしては距離感近い感じして気持ち悪いなと思って」

「き、気持ち悪い？？」

「うん、なんかきもい」

「今日私たち2人とこの後遊びたいんだけど別にいいよね？？」

「えっ…」

なんだかダメとも言いにくい雰囲気だけどいいとも言いたくない

「早く答えてもらっていい？？」

その瞬間、兄弟がかき氷を持って戻ってくる

「ありがと！蘭、竜胆！」

声色が変わってさっきまで棘のあるような感じだったのに甘ったるい声に変わる

でも、何故か2人が買ってきたのは4つだけ

竜胆「あれ？お前も欲しかった？
これしか買ってきてないんだわ」

昨日あんなにかき氷食べたいって話してたの知ってるくせに…

2人なら少しはくれるなんて甘いことを考えてると

蘭「お前、金持ってんだろ
自分で買いに行けよ、ガキじゃねえんだし」

蘭から冷たく言い放たれる

「蘭、お姉さんに対して冷たぁい！」

そんなこと言いつつ女の子達は笑いながら私を見ている

「……………行ってくる」

4人に背中を向けた瞬間、我慢していた涙がぽろっと溢れる

こんなの見られたらどうせまたバカにされるのはわかってる

こんな泣いてる姿で買いに行くわけにも行かないからしばらく外で気持ちを落ち着かせて戻ると女の子達はまだ兄弟にべったりしていた

その瞬間黒い感情が湧き上がってくる

竜胆「お前遅すぎ
もう食べ終わってんだけど」

「ごめん…」

蘭「それにかき氷買ってきてねえし」