灰谷兄弟の姉3 (ページ9)

今日:41 hit、昨日:49 hit、合計:1,008,486 hit

. ページ9

見上げてみると

「うわっやっぱ超可愛いじゃん」

「お姉さん〜何やってるの〜？？」

「1人？俺たち今向こうで遊んでるんだけど良かったら一緒に遊ばない？

今からスイカ割りすんの」

現れたのは大学生ぽいお兄さん数人
指さした方向を見ると他にも数人いる

「あ、あの私は…」

見上げたまま固まって何も言えなくなる

「可愛い〜！緊張してるの？
一緒に行こう！」

そのお兄さんが私の手を握って連れて行こうとした瞬間

鈍い音が聞こえてお兄さんの背後から赤い何かが飛びちった

「きゃっ！！」

「わっ！！おい！！大丈夫かよ！！」

私の手を握ったお兄さんはその場で横に倒れる

血かと思って飛び散った方を見てみると

これは…スイカ…？？
なんでいきなりスイカが…

「おい、お前ら何やってんだよ！！」

蘭「竜胆ナイス〜！」

竜胆「クリーンヒット！よっしゃ」

「俺たちのスイカがっ」

状況が把握できなくて困惑する

お兄さんの頭にスイカが当たって、兄弟たちはなぜか喜んでるし

足元に倒れたお兄さんを見てみるとピクピクとは動いてるからまだ良かったけど…

すると、竜胆が寄ってきて私の腕を掴む

竜胆「お前1人でいるとこうなるから、俺たちのとこ来い」

「おい！お前！邪魔しといて何を…」

男の人達は竜胆の体に入った刺青を見て徐々に遠ざかる

「どけよ」

そういうと、倒れた男の引きずってそのまま行ってしまった

「竜胆っ、私こっちで遊んでるから！」

だからといってまたあのグループに戻るのは嫌だから竜胆とは反対の方向に体を向ける

竜胆「は？お前が海行きたいって言ったから連れきてやったんだけど？

砂遊びだけなら公園でもいいだろうが」

「だってそれは竜胆達が…」

竜胆「俺たちが何？？」

鋭い視線で睨まれて何も言えなくなってしまう

「…」

竜胆「あっそ、じゃあ勝手にしろよ」

竜胆はそのまま戻って行ってしまって
私は1人立ち尽くしたまま

普段は優しい竜胆にキツく言われて、涙でだんだん目の前が霞んでくる

蘭はこっちをチラッだけ見て寄ってくることはない

そっか、あんまり姉弟同士で仲良くしてるとこ見られたくないよね…

またシートの上に座ってぼんやりと海を眺めていると蘭が来た

蘭「お前いつまでいじけてんの？？」

「いじけてないよ…」

蘭「いじけてんだろ、なんか海の家行くらしいから来い」

「うん…」