灰谷兄弟の姉3 (ページ41)

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本当は竜胆と2人でお買い物したかったのに昨日喧嘩したばかりの蘭がついてきた

普段の私だったら蘭に出かけようと言われただけですごく喜ぶのに

確かに内心少し嬉しい気持ちもあったけど、今日は何だか気まずい

昨日は蘭が謝ってくれるならすぐ仲直りしようと思ったのに、逆に迫られたからついカッとなってしまった

でも、蘭が悪いんだから…

「ねえ、竜胆あのお店みたい！」

竜胆「はあ…買い物すぐ終わらせろよ」

「わかってる！」

洋服屋さんに入ると店内にいた女性の視線が一気にこっちを向く

恐らくこの美形兄弟の影響

「竜胆これどう？」

竜胆「あー、可愛い可愛い」

まだ買い物は始まったばかりなのにもう気力をなくしている

ほぼ無理矢理連れてきちゃったから疲れてるよね…

蘭「Aはそっちよりこっちだろ」

近くにいた蘭が私の持っていた服を取り上げて別の服を渡してくる

「でも、私それが…」

蘭「いいから合わせてみろよ」

「…」

しぶしぶ合わせて鏡をみるとさっきの服より全然合うし可愛い

蘭「可愛いじゃん」

微笑む蘭に正直見惚れそうになったけど、頭を撫でようとしてきた手を避ける

蘭「生意気」

「生意気じゃないもん…」

竜胆「Aちゃん、買い物終わった？」

お店を出ると竜胆は疲れたようで後ろから私にもたれるように抱きついてきたため、頭を撫でる

りんくん可愛い…

蘭の機嫌が悪くなっているような感じするけど今日はもう気にしない

「りんくん、疲れたならアイスでも食べに行こう」

竜胆「お前最近アイスばっか食ってんじゃん
太るよ？」

後ろから私のお腹を触ってくるからその手を叩く

竜胆「ここら辺に肉ついたんじゃね？」

つまむと見せかけてくすぐってくるので体を捩る

「だめっ、竜胆」

竜胆「なにその声えろいんだけど」

すると私たちの間に腕が入り込み、無理矢理引き剥がされる

蘭「うぜえ」

それだけ言うと1人で前を歩いて行ってしまった

竜胆「あれ、キレてんじゃねえの？」

蘭の方を見るフリして、私のお腹をまた触ってこようとする竜胆の手を掴んで蘭の後を歩く