灰谷兄弟の姉3 (ページ23)

今日:80 hit、昨日:49 hit、合計:1,008,525 hit

．ページ23

「だ、だめだよ」

思わずカクちゃんの方へ助けてと視線を送る

鶴蝶「はあ……
イザナ、それくらいにしといてやれよ」

イザナ「黙れよ」

イザナ君は私の腰に腕を回し力強く抱きしめると肩に顔を埋める

イザナ「あとオレが頻繁に連絡してんのに無視してんのなに？」

「あ、あれは蘭と竜胆が返しちゃダメって…」

イザナ「ふうん、それってさあいつら病院送りにすれば毎日連絡取れるの？」

その言葉に思わず身体が震え上がる

「だめ、だよ…
蘭と竜胆は絶対に傷つけないで…
も、もしされたらイザナくんともう絶交するから」

それを言った瞬間、肩から勢いよく顔を上げる

イザナ「それだけは無理」

「じゃあ手出さないでね…」

この感じを見て分かる通り私はイザナ君と出会った瞬間からなぜか執着されていた

「Aちゃん、オレの奥さんになってくれる？」

「鶴蝶とばかり話さないでよ」

「オレ以外の男と手繋がないで」

初めは友達を取られたくないとかの独占欲かなと思ってそこまで気にしていなかった

だけど私が灰谷家に引き取られるという話になった時、本気で2人で脱走しようと計画していたらしくカクちゃんが全力でとめらしい

「A、必ず見つけるから」

別れる瞬間、涙を流しながら狂気に満ちた笑みを向けられたのは今でも忘れることができない

そして、私を連れて行くお母さんをひたすら睨みつけていた

その数年後、兄弟がイザナ君と知り合いだったのを知ってそれをきっかけに再会した

たまに会ってはいるんだけどイザナ君の私に対する執着心は会うごとに増してる気がする

「あの、イザナくん…
みんな見てるから、そのそろそろ…」

イザナ「そろそろ何？」

イザナくんは微笑みながら私の顔を至近距離で見つめる