灰谷兄弟の姉3 (ページ21)

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カクちゃんと私の関係

それは私が灰谷家に行く前に遡る

両親が亡くなってからすぐ灰谷家に引き取られた訳ではなく、それまで少し期間があった

その間私は孤児院に預けられ、その時カクちゃんと出会った

人見知りの私は周りの子と遊ばず1人で遊ぶことが多かった

いつも通り1人で砂場で遊んでいるとカクちゃんが寄ってきて

「おい！お前一人ぼっちなのか！」

「うん」

「じゃあ俺が子分にしてやる！」

「嫌だ」

冷たく言い放って他の場所に行こうとすると、頭に固い何かが投げられた

何だか痛くて涙が溢れてくる
嫌だって断っただけなのに…

「うわーーん」

「あらあら、Aちゃんどうしたの！」

先生が駆け寄ると私を抱き上げて、部屋の中に連れて行こうとするとまた何か投げられた

「こら！！やめなさい！！」

先生に怒られたカクちゃんは少し落ち込んだ様子で元いた場所に戻っていった

ふと地面を見てみると、そこにはカクちゃんがいつも遊んでいたフィギュアがそこに落ちていた

恐らく私にぶつけたもの

いつも宝物のように大事にしてるのに

「先生、あれ…」

「ん？なあに？」

「落ちてる…」

そのおもちゃに向かって手を伸ばす

「拾いたいの？」

「うん」

先生はゆっくり私をおろす
私はそのおもちゃを拾い上げカクちゃんの元へ行く

「はい…」

その他の言葉をかけずおもちゃを持った手だけを差し出す

遊びを中断すると私の元に来るけどそのおもちゃを受け取ろうとしない

「…いらないの？
たからものでしょ？」

鶴「………お前にやる！！」

「え…？？」

鶴「いつもひとりぼっちだから寂しいだろ！だからお前の友達！！」

「私の友達…？？」

鶴「俺の子分が嫌ならそいつで我慢しろ！
そしたら少しは寂しくないだろ…」

恥ずかしそうにそっぽを向いて再び遊びに行ってしまった

「ありがとう！」

今まで小さな声しか出さなかった私がここに来て大きな声を出して、初めての笑顔を見せた瞬間だった

「子分は嫌だからお友達になろう！！」

「しょうがねえな」

そう言って私の伸ばした手を握った

それ以降私はカクちゃんが唯一心を許せる存在になり後ろをくっついて歩いていた

本当に子分みたいに

その後イザナくんが現れたんだけど
この人が中々難のある人だった