灰谷兄弟の姉3 (ページ18)

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お店から離れようとすると腕を掴まれる

「待って、Aがいないと話にならないでしょ」

「何で私が必要なの！」

「とびきり可愛い子連れて行くって言っちゃったの！！」

「大丈夫！2人の方が可愛いから離して」

友達とそんなやりとりをしていると

「あの…大丈夫？
ごめんね、お待たせしちゃったみたいで」

「先輩お久しぶりです！
全然大丈夫です！」

　
「ねえ、めちゃくちゃイケメンじゃん！」

「でしょでしょ！！
中学の時の知り合いの先輩！！」

「ねえ、他の2人もめちゃくちゃイケメンじゃない？！」

「それ私も思った！！」

私を置いて2人で盛り上がっている

その男の人の顔を見てみると確かに目鼻立ちが整っていて身長も高い

すごいモテそう…

じっと見ていると目が合ってしまって慌てて逸らす

「じゃあお店入ろうか」

「はい！！行きましょっ」

語尾にハートがつくのではないかと言うくらい声が高くなる友達

皆んながぞろぞろお店に入っていく中、私は入り口で立ち止まる

「私はここで帰るから後は2人で楽しんで」

小声で言って、入り口の反対側を歩こうとすると強く腕を引かれた

「あんた何帰ろうとしてんの？？」

鬼の形相で私を見てくる友達が怖くて、思わず震え上がる

「だから、私は…」

「どうしたの？」

私たちの異変に気づいたのか戻ってきたのはさっきの先輩

「いや、なんでもないです！！
早く中入りましょっ！！」

無理矢理背中を押され中に入ることに

すぐ帰るんだから、私は怒られるのなんて嫌だ

中に入ると少し高級そうな店内
予約していたようで、案内されたのは窓際の広い席

兄弟にたまにこういう感じのところに行くけど久しぶりかも

テーブルを囲むようにソファが置かれていてそこに対面して座る

なんかこれ遊びとか言ってたけど何か合コンみたい…

合コンなんてしたことないからわかんないけど

「正面から見ると余計イケメンだね」

横に座る友達が小声で話しかけてくる

確かにイケメンだけど毎日兄弟の美しい顔を拝めてるから、あまりときめきを感じない

「先輩たち、本当にかっこいいですね！」

「全然そんなことないよ」