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「何かあった？」
「あれから数年後…クルタ族は私以外全滅した。」
「っ!!そうか…。」
「だから私は幻影旅団を決して許さない。」
幻影旅団…A級首でハンターなら誰しも知っている組織か。
犯罪組織やマフィアは何でも捨てることを許される街、流星街出身の者が多いらしい。
流星街…か。
あの子達も元気にしているだろうか。
思えば最初に会った子供はあの子達だったな。
幼いはずなのに大人びている子がいたな…。
「ルル？ルル！」
「ん？あぁ…何だい？キルア。」
ぼーっとしていたのかキルアの声が先程まで聞こえなかった。
「俺達出口まで競争してるんだけどルルもどう？」
ゴンの言葉に私は丁寧に断っておいた。
さすがにもう子供ではないからな…。
それからまた暫く黙々と走り続け、やっとのことで長い階段を上りきった。
「はぁ…はぁ…あぁ…。」
「レオリオ、頑張って。」
「わ、わかってらぁ…。」
上りきったところでレオリオは地面に手をついた。
その後ろからクラピカが安定の呼吸で上る。
「おっせーよルル！」
「キルア、早いね。」
「あたりめーだろ！」
「やぁクラピカ！」
ゴンの言葉にクラピカはここがゴールかを聞き、ゴンは違うと言う。
まぁさすがにこんな所が二次会場な訳ないか…。
やがて霧が晴れ、どんな光景かハッキリしてきた。
ヌメーレ湿原、詐欺師の塒か。
これは死人が出るな。
「騙されると、死にますよ。」
サトツの言葉に周りは息を飲んだ。
「騙されることのないよう、しっかり私の後を着いてきてください。」
「けっ！ふざけた話だぜ！騙されるのがわかってて騙されるわけないだろ！」
「騙されるな！！！」
レオリオがそう言った時、どこからか声が聞こえた。
試験者全員はその声の方を向く。
そこにはボロボロの姿の人間がいた。
「だ、騙されるな…そいつは、嘘をついている！」
その人間はサトツを指さして言う。
「そいつは偽物だ！試験管じゃない！俺が本物の試験管だ！これを、見ろ！」
そう言って引きずって出したのはサトツの顔そっくりの猿。
人面猿か…驚くほどサトツにそっくりだ。
単純なヤツは騙されそうだな。
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作者名：noir | 作成日時：2020年5月22日 19時
