不老不死 (ページ4) - 小説/夢小説

今日:19 hit、昨日:0 hit、合計:2,986 hit

#4 ページ4

「…あんな怯えて行かなくてもいいのに。」

トンパが去り缶の方に目を移す。
さて、飲んでもいいが今は飲みたい気分ではない。
どうしたものか。

「…ルル、か？」

自分の名前を呼ぶ声の方へ顔を向けると、そこにいたのは銀髪のくせっ毛で猫目の男の子だった。
あぁ､､､なるほど、君が試験を受けに来ていたんだね。

「久しぶりだね、キルア。」

「お、お前…今まで何して…それにあの時と全然姿変わってねぇじゃねぇか…。」

「ごめんね、私にも仕事があったから。キルアが4歳になった頃に私はいなくなったっけ。姿のことは気にしない方がいい。」

彼はキルア=ゾルディック。
暗殺一家でそのくせっ毛である銀髪は次期当主になる資格がある証拠だ。
キルアは泣きそうな顔をして私の目の前に立つ。
まさかキルアがこんな所にいるだなんて、許可を貰えるような所ではないと思うんだが､､､。

「キルア、あなた許可が下りたの？そんなあっさりとシルバさんとキキョウさんが許すとは思えないのだけど。特にキキョウさんはキルアのことが大好きだから。」

シルバさんはキルアの父でキキョウさんは母。
その上にゼノさんと言うキルアの祖父がいる。
彼らとはギブアンドテイクの関係であり、たまに仕事を手伝ったりしている。
シルバさん達にはどうやら私の強さを認められているらしい。
いや、認めざるおえないの間違いだろうか。

「俺、家出してきたんだ。」

「それはまた大きなことをしたね。大変だっただろう、あの家から家出するのは。」

「お袋と兄貴ぶっ刺して出てきた。」

「それは…大変な事だね…。」

キルアには兄が2人、下に弟と妹が1人ずついる。
長男を刺して逃げれるほどキルアはまだ強くないから…次男の方かな。
帰ったら大変なことになるな。

「ルルは何も言わないの？」

「私が？何を？」

「俺が勝手に家出したこと。」

「別にそれは私が決めることじゃないからね。キルアのしたいようにすればいい。キルアがそれで後悔しないのなら、ね。」

私の言葉にキルアは微笑んだ。

「やっぱり、ルルといると安心する。」

「嬉しいこと言ってくれるね、ありがとう。」

キルアの頭を撫でると気持ちいいのか口角をまたあげる。
それにしても…昔はあんなにも小さかったのに大きくなっている。
すっかり成長したものだ。