不老不死 (ページ21) - 小説/夢小説

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#21 ページ21

「ずっと気にしていたのか。まず、船にいた時いつでも監視役を辞めていいと私は言ったよね？あの時ヒソカは私になぜ監視役をしているのか聞こうとしたのを私が遮ったことを覚えているかい？」

ボクが頷くのを確認したルルは話を続けた。

「あの時の私は人生がどうでもいいと思っていた。あの船に入る前、流星街で世話をしていた子供たちがいてね。私の不注意で子供たちに怪我をさせたんだ。その原因が…」

ルルは飲み干し空になったティーカップを手に取ると、力を入れると折れてしまいそうな程細い腕からどこから力が出るのやら、カップを粉々に破壊した。
粉々になったカップの破片が下にバラける、そしてそこに赤い液体が落ちた。
破片で切ったことによりできたルルの傷から流れた血だった。
ボクはその行動に驚きルルに近づくが、それよりもその傷が怪我したのが嘘かのように綺麗に治ったことに驚いた。

「2つ目の質問に答えるんだが、私は前言った通り"死なない"。死にたくても死ねない体なんだ。心臓を潰しても首を切り落としても死なない。それに私の血はどんな不治の病、怪我を治すことが出来る。どこからこの事を嗅ぎつけたのかは知らないが、子供たちを傷つけた輩たちは私後を狙ってきたんだ。おまけに歳もとらない。気味が悪いだろう？」

無理して笑うルルをボクは気味が悪いだなんて思わなかった。
あの事件後、ボクのことをまるで弟のように育てるルルをボクは姉としてでは無く女としてみるようになったことに最近気づいた。
そんな人のことを気味悪がる人なんているのだろうか。
いるとしたらそれは愛ではない。
ただの気まぐれだ。

「ボクは別に気味悪く思わないよ。」

「…ヒソカ？」

気づいた時にはルルのことを抱きしめていた。
ボクの方が身長が低いためルルからすると子供が抱きしめているようにしか感じないだろうが、それでもボクは力いっぱい抱きしめた。

「ルルは不老不死ってことでしょ？」

「まぁ、そういうことになるね。」

「だったらルルはボクと一緒にいればいい。」

ボクの言葉にルルの体が固まったのがわかった。
ルルは歳を取らない、ならボクがこれから強くなればルルを守ることが出来る。

「…ありがとうヒソカ。」

彼女は一筋の涙を零し微笑んでボクを抱きしめた。
その時の彼女の顔は今まで見た笑顔より綺麗だった。