不老不死 (ページ3) - 小説/夢小説

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壁に寄り添って座っていると、痩せているとは冗談でも言えない中年の男が目の前にいた。
私が男の方を見ると一瞬男は息を飲んだが、すぐに切り替え話を始める。

「何か用でも？」

「俺はトンパ！35回試験を受けてるベテランだ！何かわからないことがあるならなんでも聞くぜ？」

…それは威張ってもいいのだろうか。
それに、ハンター試験ならここにいる誰よりも私の方が分かりきっているだろう。
責任者と知り合いなのだから。

「初めまして、私はルルです。すみませんが聞きたいことはありません。」

「そうか？じゃあお近付きの印にこれをやるよ！」

そう言いトンパはバッグからオレンジ色の缶を出した。
私はそれを受け取りトンパの顔を見た。
私にはわかる。
この顔は悪巧みをした時の顔だ。
大方この飲み物の中に何かを仕込んでいるのだろう。

だけど私には効かない。
不老不死と言っても痛みを感じるし体調だって崩す時はある。
ただ死なないだけ。
ただの不老不死ならこの缶の中身に苦戦しただろうが私は耐性がついているため効かないのだ。
効いたとしても10分程度で分解されるだろう。

「ありがとうございます、頂きます。」

「っ…お、おう！」

愛想笑いをしお礼を言うとトンパは頬を赤らめた。
私に薬を盛る前に自分の体調でも気遣ったらいいのに…顔が赤いということは風邪だろうか？
トンパの心情に気づかずそんな事を私は思った。

「けどトンパさんすみません。私、薬の類はあまり効かない体質なんです。」

「えっ…。」

「私を殺したいのでしたら諦めるのをオススメします。私は、死にませんので。」

私がトンパへ目線を向けると私の目を見た瞬間トンパに恐怖が走った。

こいつ…やばい…！

「そ、そっかぁ！じゃ、じゃあ俺もう行くね！」

そう言い俺はルルから離れた。

あの目は絶対強者の目だ…。
とんでもねぇ奴がハンター試験に来やがったぜ…。
どうなってんだ今回のルーキーは！