#18 ページ18
「君はもう料理しない方がいいよ。爆発した音が聞こえてたし。」
「そ、そうだね…。」
しょんぼりする彼女を見て初めて見る顔にボクは思わず笑ってしまった。
キョトンとした顔をした後彼女も笑った。
「やっと笑ったね。」
「…え？」
「ヒソカは笑った方がカッコイイよ。」
彼女はそう言い鉄の棒の間に手を通しボクの頬を撫でた。
不思議と嫌だとは思わなかった。
「今日はもうおやすみ。」
そう言われ、ボクは目を閉じた。
翌日の朝、目を覚ますと彼女が寝ていた。
「本当にあなたは監視役なのかい…？」
寝ている姿は到底監視役など出来そうとは思えない。
気分で入ったにしてもちゃんとした方がいいのでは無いのだろうか。
彼女を見つめ、ふとあの男に殴り飛ばされ怪我をしたはずの頭を見た。
傷が…ない？
不思議に思い、しばらく眠る彼女を見つめていると、彼女は目を覚ました。
「ん…おはよう、ヒソカ。」
「おはよう。」
その後彼女が持ってきた食事を食べ、昨日と変わらずボクは檻の中でただ黙って座っていた。
傷が治ったことは気になったが、別に聞かなくてもいいだろう。
「ヒソカ、暇だろう？なにかして遊ぼうか。」
「遊ぶって…こんな所で何をするんだい？」
少し待つよう言い、彼女は隣の部屋へ入った。
彼女が戻ってきた時手に持っていたのはトランプだった。
「それは…」
「トランプだよ。知らない？」
「いや、トランプは知ってるけど…。」
「これで遊ぼう。」
そして、ボクたちはトランプで遊ぶことになった。
檻という壁がありながらも。
「あなたはトランプが強いんだね。」
ババ抜きをしているが彼女の全勝。
彼女は全く顔に出さない。
ボクも顔に出ない方のはずだが、彼女は僕を上回る。
「ヒソカも強いよ。」
「でもボクはあなたに1度も勝てていないよ。」
「じゃあ次の勝負、負けた方は勝った方の言うことを聞くってのはどう？」
「…ボクは嫌な予感しかしないよ。」
ボクが不満げな顔をして言うと、彼女は小さく微笑んだ。
その笑みに見惚れがらも、罰ゲームありのババ抜きが始まった。
「…で？何をお望みだい？」
ババ抜きはボクの予想通り彼女の圧勝に終わった。
「じゃあ___________」
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作者名：noir | 作成日時：2020年5月22日 19時
