不老不死 (ページ17) - 小説/夢小説

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#17 ページ17

「ルル、監視対象は目が覚めたのか。」

「えぇ、それよりいつ頃に着くの？」

「約1週間程だ。それまで見張っておけ。」

「もしかしたら逃がすかもよ？」

その瞬間目の前に座っていた彼女はいなくなった。
少し端の方を見ると彼女が壁に殴り飛ばされていた。
今…何が起こった？

「せっかくのいい顔が崩れたいのか？」

「嫌だなぁ、真に受けるなんて冗談の欠片も通用しない。」

殴れられたのにも関わらず彼女は笑っていた。
血が少しずつ出ているのを見ると酷く打ったらしい。

「ふっ、調子に乗っておけばいい。お前はここで俺に可愛がられとけばいいんだよ。治療は自分でしとけよ。」

男はそう言うと部屋から出ていった。

「全く…女に容赦しない男だ。」

「大丈夫…なのかい？」

恐る恐る聞くと彼女はニッコリと笑ってボクを見た。

「大丈夫さ、私は死なないからね。」

「死なない…？」

「あの男はここのリーダー。名前は…忘れてしまった。私はある日からここに住み込むことになってね。気分で入ったからいつここを抜け出してもいいんだ。」

そう話す彼女の瞳にはまだ他にも事情があるような目だった。

「あ、そうだ。ご飯の準備をしよう。いつもは作られたものを渡すんだが、今回は特別に私が作ろう。何か食べたいものはある？」

「…じゃあハンバーグで。」

素直に答えられたのが嬉しかったのか満面な笑顔で「わかった。少し待ってて。」と言い男が入ってきた扉とは逆にある扉を開けた。
仮にも監視役なのではないのか…。
それにあの瞳はどこか惹き付けられる。
この船にいる理由も気になる。
ボクは少しだけ彼女に対して興味を持った。
暫くすると隣の部屋から何かが爆発するような音が聞こえた。

「…何が起こってるの？」

音の方向は先程彼女が入っていった方。
料理をするのにあんな音が鳴るのだろうか。
そんな恐ろしい音が止まり、扉が開くと手には黒い物体が乗ったお皿を持つ彼女が出てきた。

「ヒソカ…私はどうやら料理が出来ないらしい。」

「…みたいだね。」

とてもハンバーグとは言えないその物体は食べられそうになかった。
彼女がその物体を片付けようとした時、ボクは止めた。

「それ食べるよ。勿体ないでしょ？」

「え、でもやめた方が身のためだよ。」

「いいから、ここ開けて持ってきてよ。」

そう言うと彼女は鍵を持った人を呼び出し檻をあけ、物体をボクの元へ持ってきた。
その物体の味はとてつもなく美味しいとは言えないものだった。