#12 ページ12
「では参りますよ、ついてきてください。」
その言葉と共に再びランニングが始まった。
ぬかるみが酷いな…。
汚れてもいい靴を履いておいてよかった。
霧に紛れて何かしでかす受験じゃが出てくるだろうと考えた私は、絡まれることがないよう、念の1つ、絶をしながら走っていた。
「あれ、ルルは？」
「あ？どこいったんだアイツ！」
一応君達の傍にいるのだが…。
まぁ仕方ないか、この子達は念を知らないのだから。
「…ゴン、もっと前に行こう。」
「うん、試験管を見失うといけないもんね。」
「そんなことより、ヒソカから離れた方がいい。においで分かる。」
キルアの言葉に私は後ろを見る。
確かに…あの子は昔から戦闘狂だったな…。
仕方ない、せっかくだから様子を見に行くとしよう。
私は2人から離れ、後ろの方へ下がっていく。
ヒソカの元へ行くと、彼を囲んでいる受験者たちが目に入った。
どうやら霧に乗じて彼を殺るつもりのようだ。
だが私の知るヒソカはこの程度の相手、無傷で、そして楽して倒すことが出来るだろう。
予想通り彼は軽々と連中を倒し、残るは後から来たクラピカとレオリオだけになった。
ヒソカが2人に近づく中、クラピカの合図で2人は左右に別れて走った。
「同時に左右に逃走…まぁ実力では叶わないと判断したんだろう。」
だがレオリオが再び戻ってきてヒソカに攻撃を仕掛けた。
木の棒で単純な攻撃はヒソカに当たるわけがなく、避けられ反撃をされそうになった時、釣竿のルアーがヒソカの額部分にぶつかった。
飛んできた方向には少し息を切らしたゴンが立っていた。
「間に…あった…。」
「やる寝坊や…★それ、釣竿？面白い武器だねぇ…見せてよ♥」
ヒソカは嬉しそうな目でゴンに少しずつ近づいていく。
「てめぇの相手は俺だあぁぁぁぁ！」
ヒソカの背後では木の棒を再び持ち直したレオリオが攻撃を仕掛けていたが、またもや当たらず逆に返り討ちにあい、レオリオは殴り飛ばされ意識を失った。
その瞬間をゴンは見逃さず攻撃を仕掛けるが避けられ、また攻撃を繰り返すが全てヒソカに当たらなかった。
「いいねぇ…いいよぉ…ゾクゾクしてきたよォ♥」
私が出会ったヒソカは見ないうちに変態度を成長させてしまったようだ。
ゴンはもう一度釣竿を飛ばし今度は砂埃を起こし、目くらましとして利用した。
背後から攻撃を仕掛けるがヒソカに首を捕まれ、捕らわれた。
これ以上はまずい、か。
「そのくらいにしたら？ヒソカ。」
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作者名：noir | 作成日時：2020年5月22日 19時
