【イナオリ】イナズマジャパンの天使ちゃん season3

EP91【帽子】 ページ13

少し下を向いていたAはそれに気づかず、氷浦に軽く衝突する。

『き、貴利名くん…！急に止まらないでよ…！』

当たった額をさすりながら、Aは半歩下がって氷浦に言う。だが、氷浦はAを見ず、少し上の方の棚を見ている。

『？…あぁ。』

《そういうことか。》

Aは疑問に思い、氷浦の目線を追ってそちらを見た。氷浦の目線の先の物を見て、何なのか理解すると、2人の元に明日人がタイミングよく来た。

明日人「どうしたんだ？」

明日人が氷浦に声をかけると氷浦は明日人の方をみて話す。

氷浦「明日人…あれ…。」

明日人「？」

そして明日人も、氷浦の目線の先を見る。そこにあったのは…。

明日人「！あの帽子は！」

そう、氷浦が見つけたのは先日会った謎の少年、無敵ヶ原 富士丸が頭に身につけていた青色の帽子だった。

『…。』

Aもジーッと帽子を見る。

氷浦「まさか…アイツはこの辺りにいるんじゃ…。」

剛陣「アイツ？」

『わぁぁ！？』

Aの後ろから氷浦に問いかけた剛陣。急に後ろから声が聞こえたことで、Aは驚いて声を上げた。

『驚かさないで下さい！』

剛陣「お、驚かすつもりなんてねぇよ！」

士郎「剛陣くん。驚かしてしまったなら、ちゃんとAちゃんに謝らないと。」

剛陣「俺かよ！」

剛陣の後ろから吹雪が来て言う。

風丸「そうだぞ。Aはただでさえ、さっき(氷浦)のでダメージ喰らってるんだからな。」

ポンっとAの肩に手を置きながら、風丸が剛陣に言った。

『風丸さんはさっきのことをぶり返さないで下さい…。』

Aは再び思い出して、ため息をついた。

《なんか、今日は謝られてばっかだな…。》

そう思ったAでした。

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