俺達は女忍びを捕まえた。【刀剣乱舞】 (ページ6)

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その6 ページ6

私は幼い頃から忍びとしての鍛錬を積んできた。

だから全く眠くもならないし、我慢しようと思えば絶食だってできる。

だから今こうやって布団の中で座りながらただひたすら部屋から見える月を眺めるのなんて全く苦ではないのだが。

一つ問題がある。

「......あの、何か...？」

さっきから障子に隠れてずっと私のことを見ている子がいるのだ。

この建物には随分と広い年齢層の人達がいて、7、8歳から成年くらいの人がいる。

もう一つ気にかかるのは、男しかいないということだ。一体ここはなんなんだろうか

「あ、あの、傷...大丈夫ですか？」

真っ白な髪になぜか子虎をつれたその子は、おずおずと部屋に少しずつ入ってくる。

純粋に心配してくれているのだろうかと思ったが、ここでもなかなか緊張は解くことができない。

いくら見た目が幼くても、気を許すわけにはいかないのだ。出会って間もない頃は。

「大丈夫ですよ、心配ありがとうございます。

えーっと...一つ聞きたいことがあるんですが」

私がそう言うと、彼は「はい！何でも聞いてください！」と笑顔で言った。

「ここはどういう場所で、貴方達は一体何者なんですか？」

できるだけ刺激をしないように、柔らかく柔らかく聞く。

「ここは、本丸という場所です。

信じられないかもしれないんですけど、

僕達は刀の付喪神なんです。

今こうやって人間の姿でいるのは、遡行軍という悪い物から歴史を守る為です。」

がんばって伝えようとしてくれているのは十分伝わったが、

流石にこれは私も想定外というか、外どころではなくもはや未知の領域だった。

「そ、そうなんですか。ありがとうございます。

つまり貴方たちは元々はヒトではないということですよね...」

もう自分でも何を言っているのかわからないが、私が言ったことは一応合っていたらしく彼はコクコクと頷いた。

「僕は五虎退です。よろしくお願いします！」

彼はそう言ってパッと笑いながら手を差し出してくれた

もし今私が素手だったら握手を拒んだだろうが、運良く手袋をしていた為しっかりと握手をさせてもらった。