俺達は女忍びを捕まえた。【刀剣乱舞】 (ページ2)

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その2 ページ2

「遡行軍が山へ逃げた？」

加州のその一言で、空気が一瞬ピリついた。

　

「確か山の方には違う軍勢が隠れてたよな」

山姥切国広は立ち上がってそう言う。
確かに、先程合戦場に居た一方の軍勢は山の方へ逃げて行った。

とすると、遡行軍はその軍勢を全滅させてこの戦の結末を改変しようとしてるってことだな。

「じゃあ山に急ぐしかないな」

俺がそう言って山姥切に続いて立ち上がると、他の四振も刀を持って腰を持ち上げた。

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山に入り、すぐに気付く。

「遡行軍が山に入ったせいで、道が全くあてにならないな。」

「やっぱり鶴丸もそう思ってた？俺もなんとなくそんな気がしてたんだよね」

俺の左隣を走る加州はため息をつく。

　

「あ～あ、俺今日は早く帰って爪塗り直そうと思ってたのに」

「仕方ないだろ、さっさと討って帰るぞ」

俺の右隣を走る加羅坊は無機質にそう呟いた。

「いました！多分山に逃げた軍勢です！！」

前を走る、夜目の利く堀川がそう叫ぶ。

目を凝らせば、その軍勢の中に一人の人間が立っていた。

「ん？何か誰か襲われてんじゃない？」

加州は顔をしかめてそう言った。

　

「忍びだな。」

山姥切は加州の視線を追ってその人物を目でとらえる。

「忍び？なんで忍びが敵軍に捕まったりすんだよ、普通絶対捕まんねーもんじゃねえのか？」

　

和泉守の言葉を聞いて、「確かにな」と同じく疑問を抱いた。

そこに堀川が解説を加える。

　

「多分、遡行軍が山に入り込んだせいであっちの道も狂ってるんだよ。あの忍びさんもこんなこと予期してなかっただろうね」

気の毒そうにそう言う堀川を横目に、俺はその忍びを再び見た。

「おい、多分あの忍び怪我してるぜ」

「怪我？.........ほんとだ、ちょっとフラついてる」

加州は山姥切を見て再び口を開き、

「ねえ、あの忍びを助けた所で歴史改変には問題ないよね？だって遡行軍が入ったせいであの忍びは今ああなってるんでしょ？」

「...あぁ、そうだな。」

山姥切は大倶利伽羅の方を見て「お前も一緒に行ってやれ」という視線を送る。

　

「.............」

「無言の了解ってやつね。じゃ、大倶利伽羅借りてくよ」

加州はそう言うと加羅坊の手を引っ張り軍勢の中に突っ込んで行った。