花嫁姿に見入っちゃう男子【呪術廻戦】 (ページ9)

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「よくお似合いですよ。

お身体苦しくはありませんか？」

上品な手つきで着付けをしてくれている女性が、優しく微笑みかけてくれる。

笑顔まで上品だな……とか思いながら、「大丈夫です。すいません、お手数かけてしまって」と言った。

「憲紀様も見ないうちにあんなに立派になられて…。
今回は虚偽の婚礼とお聞きしてはいますが、まるで将来の憲紀様のお嫁さんの着付けをしている気分になりますわ…」

止まることなく喋る着付け係の女性に圧倒されながらも、恥ずかしくなってきて私はやんわり訂正した。

「いえいえ、加茂せんぱ…加茂さんは将来私みたいなちんちくりんじゃなくて…もっと素敵な女性と婚約されると思いますよ」

私がそう言い切ると、彼女はパチクリと瞬きをする。

「…ウフフ、お2人とも雰囲気がとても大人っぽかったのであまりそういう風には感じませんでしたが、やはりお2人ともまだ若いですね、ウフフ」

「…えーっと…それはどういう……？？」

彼女が言ったいることがわからず、思わず首をかしげる。

「いえ、お気になさらず。

…はい、着付けが終わりました。ご確認をお願いします」

そう言って全身鏡のほうへ向かされると、そこには先程とは間違えるように綺麗になった自分がいた。

「………きれい」

それしか言えなくなってしまうくらい。

まさか人生の中でこんな綺麗な衣装が着れるとは思っていなかった。

感動して「…わ…ほんと……きれい…」しか言えなくなっている私を見て、後ろにいた女性は「当日はもっとお綺麗にさせていただきますよ」と肩に手を添えてくれた。

鏡に見入っていると、試着をしている部屋の外から
「憲紀様のご試着、終わりました」と係の人の声が聞こえてきた。

「じゃ、制服に戻りましょうか」

「え、一度加茂せ…加茂さんに見せるんじゃないんですか？」

てっきり一度お互いの姿を確認してから脱ぐものだと思ってたので、私はそんなことを聞いてしまった。

「ええ、当日のお楽しみですよ」

彼女はそう言った後、私の耳元でこそこそっと続ける。

「憲紀様、とってもカッコよかったですよ。

お楽しみに」

その言葉で、鼓動が早くなっていくのを感じた。