花嫁姿に見入っちゃう男子【呪術廻戦】 (ページ6)

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▽終ページ6

「はい、これで本日の撮影は終了になります。

お疲れ様でした」

プランナーの方にそう言われて、私はお礼を言って試着室へと戻る階段へ向かった。

行きの時は手伝ってくれる係の人がいたが、その人のほうを見てみれば今は写真のデータがどうのこうのとかいう話をしていてなかなか声をかけられずにいた。

「仕方ない、1人で下がるか…」とドレスの裾をクッと上げた瞬間、

「何をしてるんだい、1人で降りるなんて危なすぎるよ」

上から穏やかな声が聞こえてきたかと思えばふわりと抱き上げられる。

「げ、夏油！わざわざ持ち上げなくていいから！

ちょっと手貸してもらえればそれでいいから！」

「駄目だよ、これで転んでドレスが破れたりしたらどうするの？」

「うっ……」

圧倒的正論に何も言い返せず、大人しく彼の胸板に身を預けた。

「ありがとう、夏油」

ゆっくりと階段を降りていく中で、私は彼にそう伝えた。

「いいんだよ、気にしないで。

あと…」

夏油の声が聞こえなくなり、どうしたんだろうと
思わず彼の顔を見上げる。

「…その姿、本当に綺麗だよ。

お嫁さんに欲しいくらいだ」

真っ直ぐに。本当に真っ直ぐにそう言われた。

いつもは優しくて穏やかなトーンで話す彼だが、この時だけは、そこに確かな熱を感じた。

「は、はは…そんな真っ直ぐ言われちゃうと照れるなぁ…ありがとう…」

「ねぇ、今回こうやって花嫁の姿を体験した理由って、将来結婚する気が無いから？」

「まぁ、うん…そうだけど」

私がそう答えると、彼は「そっか…」と何やら考え込む。

「どうやったら、君は結婚する気になるのかな？」

「はい？」

訳の分からない質問を唐突にされて、間抜けな声が出てしまった。

彼は何が聞きたいんだろうか…？

「夏油、なんかさっきから変だよ、頭打った？」

「いや、打ってないけど」

「将来結婚する気無いって言っても、まだ私2年生だし気が変わるかもしれないし…」

私がそう言うと、夏油は階段の踊り場で私をゆっくりと下ろす。

「？」

え、やっぱり自力で降りろって感じ？と焦っていると、私の顔横の髪を耳にかけ、そのまま口元で囁いた。

「じゃあ、私がその気にさせてあげるよ」

体を痺れさせるような彼の甘い声が、私の心を震わせた。

再び私を抱き上げ階段を降りていく彼の顔を見上げながら、「あれ、わたしここに何しにきたんだっけ」と呆気に取られていた。