花嫁姿に見入っちゃう男子【呪術廻戦】 (ページ12)

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③五条悟ページ12

久しぶりの丸一日デート。

心地良い夜風が頬を撫でる。

「そろそろ、僕も覚悟ができたよ」

隣で一緒に夜景を眺める悟は、急にそんなことを言い出した。

何のことか全くわからず、思わず笑いながら聞き返す。

「なぁに？どうしたの？」

またいつものおふざけだろうと思いながら彼のほうを見てみれば、今まで見たことがないくらいに優しい微笑みをこちらに向けていた。

「ねぇ、君は僕と________ ………」

.

はっ、と目が覚める。

携帯のロックを解き時刻を確認してみれば、もう9時だった。

悟にプロポーズされる夢を見るなんて、余程……と思いベッド横の小さなテーブルを見てみれば、そこには小さい正方形の箱。

いや、まさか、と手を伸ばし恐る恐る開けてみる。

そこには確かにキラキラと光る指輪があった。

「あれ、夢じゃなかったんだ」

ぽつりと独り言を溢せば、寝室の外から声が聞こえてくる。

「おーい、起きたんなら早く朝飯たべよ」

…そうだ、思い出した。

昨晩デートの最後に悟が急に「綺麗な夜景でもどう？」とかキザなことを言い出すから、面白がってついて行ったんだ。

で、そこで急に悟が今までの思い出を振り返り出して…それで…それで、

「ほんとに、プロポーズされたんだ…ッ、悟に……」

正直、信じられなかった。

だって、あの悟だ。
交際はしていたものの、正直、結婚する未来は見えなかった。

だが今、私のすぐ横には指輪。

ここまできて、昨晩のプロポーズは嘘だったと思う方が難しい。

「ねぇ、いつまで僕のこと待たせるつもり？」

気付けば、悟が寝室のドアにもたれかかってこちらを見ていた。

「おはよう、まさか昨日のことが夢だなんて思ってないよね？」

「……思って、ないです」