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その日の夜も、その神社へ行った。
今日は光忠先輩がいないので、鶴丸さんと二人である。
(一人)「今日は〜何しようかなぁ〜」
境内へ入った時、とんでもないものを見てしまった。
少し小さめの、この神社の賽銭箱を抱えている、中肉の男。
紛れもなく賽銭泥棒である。
ぶわっと湧き上がった怒りに任せ、私はその男に向かって思いっきり体当たりをした。
そのはずみで、賽銭箱は地面へ落ちる。
賽銭泥棒「クソッ…女のくせして生意気なんだよ!!!こんな小銭くらい盗んだってなんも変わらねえだろ!!!
この神社だってただの荒地じゃねーか!」
その言葉で、私の怒りは頂点に達した。
(一人)「…うるさいなぁ…
ここは…ッ、ここの土地をずっと守って来た神社なんだよ!!!お前とは違ってもっと大事なものなんだよ!!
荒地なんて呼ぶ奴は許さない!!」
賽銭泥棒「ゴチャゴチャうるせえんだよ!
死 ね!!!!」
男はポケットから小型のナイフを出し、私へ突進してきた。
(一人)「っ!!」
間一髪で避けたが、腕にすこし掠ってしまっていたらしく、ズキズキとした痛みを感じる。
まずい、次でやられる、
そう思った瞬間
、
鶴丸「その子に近付くな」
冷徹な声が、静かに響いた。
鶴丸さんは、安心させるように私の肩を優しく抱き寄せ、再び言葉を放った。
鶴丸「お前がここにいるだけで不快だ。
二度と入って来るな」
突然現れたことに驚いたのか、賽銭泥棒はすぐに怯えながら走って逃げて行った。
鶴丸「大丈夫か?!
一体何をしていた、賽銭泥棒など放っておけばよかっただろう!」
(一人)「駄目です!それじゃあ、鶴丸さんがここを守り続けている意味がなくなっちゃうじゃないですか!!
それに、私はこの神社と、鶴丸さんがいなきゃ
、……さみしいです。」
鶴丸「(一人)…
そんな風に言われたのは、初めてだ」
鶴丸さんは、照れたように笑った。
その笑顔に私も安心してしまい、思わず笑った。
そのとき、ズキ、と傷が痛む。
その一瞬を見逃さなかった鶴丸さんは、
鶴丸「まさか、怪我をしているのか
…すぐに見せてみろ」
と言って私を抱きかかえ、社へ向かった。
(一人)「い、いえいえ、大丈夫です!かすり傷ですから!!!鶴丸さーーん!!!」
鶴丸「駄目だ、嫁入り前の娘を傷つけるなんて、あってはならないことだからな。」
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にわ(プロフ) - さらさん» ありがとうございます〜泣なんとか完結できました!鶴さん…来るといいですね!!祈ってます… (2019年12月3日 18時) (レス) id: 9ced130178 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 完結おめでとうございます!! 凄くよかったです!!無事鶴丸さんと付き合えたぁ〜♪♪続編あるなんて嬉しいです!!これからも楽しみにしてます!!私のゲームにも鶴さん来て欲しい(泣) (2019年12月3日 18時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
さら - ありがとうございます!!お願いします!! (2019年12月1日 23時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - さらさん» リクエストありがとうございますー!了解です!膝丸さんと鶯丸さんですね〜! (2019年12月1日 23時) (レス) id: 9ced130178 (このIDを非表示/違反報告)
さら - さっそくリクエストいいですか??膝丸さんと鶯丸さんのお話書いて欲しいです!! (2019年12月1日 23時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にわ | 作成日時:2019年10月18日 0時