その37 ページ9
「だよなぁ、やっぱり駄目……え？」
今、なんて？ といったような感じで、彼は金色のきれいな瞳を見開く。
「やります、用心棒」
「だってきみ、忍びの任務は…」
「…もう、終わったんです。全部。」
私のその言葉に、彼は怪訝そうな顔をする。
「何かあったのか」
「ありましたけど、鶴丸さん達には関係ないです。」
「君のそういう所は変わらないよな」
それ以上は深く聞いてこなかった彼に居心地の良さを少しだけ感じながら、私はもう一度言った。
「貴方がたの用心棒、やりますよ」
.
本丸の戸を開き、一期は靴を脱ぐ。
そこに通りかかった歌仙は不思議そうに尋ねた。
「あれ、鶴丸と一緒に町へ行ったって聞いたけど…
まさか出先で鶴丸と喧嘩をしたのかい？」
「ご冗談を。
実は町であのお嬢さんと会いまして、鶴丸殿が
そっちのほうへ走って行ってしまったんです。」
「それは大変で………
忍びの子がいたのかい？！」
驚いた歌仙は思わず大きな声を出してしまう。
「えぇ、私も着いて行こうとしたんですが…
鶴丸殿に任せておくのが良いだろうと思いまして」
「そうだったのか、わかった。
もうすぐお昼の時間だから、支度を終えたら広間に
来てくれ。」
.
「な、なぁ…本当に大丈夫なのか？
また君がいつの間にか本丸から居なくなったりする
のは御免だぞ？」
甘味処から出て本丸へ戻る道のりを歩く途中、彼はしきりにそう伝えてきた。
「そうですね…今までそういうことが沢山あったので
簡単には信頼していただけないですよね。」
何か私を縛るものがあればいいんだけどな…と考えていると、途中で万屋を見つける。
「あの万屋に入っても大丈夫ですか？」
「え？ 俺は構わんが…急にどうした？」
「あなた、神様なんですよね。」
「いやまぁ…一応神だが…」
頭上にハテナばかりを浮かべる彼を見て少し可笑しさを感じながら、私は万屋の中をぐるぐると回った。
途中、髪飾りが置いてある場所で一人の女性ともう一人の鶴丸国永が髪飾りを仲睦ましげに選んでいるのを見て、驚いた。
「鶴丸さんって一人じゃないんですか」
「あぁ、本丸は一つじゃないからな。その分俺も顕現
されるんだ。」
「そうなんですか…」
「それより君、何かほしいものでもあるのか」
彼の問いかけに「はい、ちょっと」と言って、近くにある耳飾りを取った。
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にわ(プロフ) - クンミンさん» お話ができあがり次第更新しているので、一日に何度も投稿することになっていまってます…笑 前作から読んでくださってありがとうございます！ これからも本作品をよろしくお願いします！ (2021年2月5日 23時) (
レス) id: f389216039 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 更新回数が何度もあってワクワクしながら読ませてもらってます。続編ありがたいです。また楽しみができて嬉しいです^ ^ (2021年2月5日 21時) (レス) id: fd1b39684c (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - Mikomikoさん» ありがとうございます！他作品でもリクエストしてくださって嬉しかったです...！なかなかリクエストにお答えできておらず申し訳ないです...泣 本作品もお楽しみくださいね！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: ae673d749e (このIDを非表示/違反報告)
Mikomiko - 続編おめでとうございます！こういう感じの話を待ち侘びていました……(〃ω〃) (2021年2月3日 20時) (レス) id: 4ec99752b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にわ | 作成日時：2021年2月2日 15時
