その36 ページ8
「まずはこれを着てみてくれ」
真っ白な男がそう言って持ってきたのは、薄桃色のもの。
「こんな可愛らしい色、似合うかな…。」
今まではずっと黒の装束を着てきたから、急に明るい色の着物を見て目がくらくらとする。
「…すごい、なんでかわからないけどたしかに似合ってる…」
「っだろ？！ そう思うだろう？！ …あっ」
急に食いついてきたその男は、その後すぐ我に返る。
「あの…どこかでお会いしたことありますか？」
なんだか見たことのある雰囲気と話し方で、不思議になった私はそう尋ねてみた。
するとその人は少しだけハッとしたような素振りを見せたあと、「さぁ、どうだろう」と濁した。
「では、これをお願いしま__」
「えっ、もういいのか？
まだ見ていけばいいじゃないか」
「あなたのお時間を取るわけにもいかないですし…
素敵なものを選んでいただけただけでもありがたい
です」
私がそう言うと、彼は「じゃあこの後少しだけ君の時間をくれないか」と言って私の手を引き、店を出た。
.
「あの、急にどうしたんですか？
甘味までご馳走になってしまって申し訳ないです」
「いいんだ、俺が君と少し話をしたかっただけだ。」
変な人だなぁ、と思いながら、頼んだ甘味が来るのを待つ。
その時、男は「ふぅ、」と言って被っていた羽織を脱いだ。
「え…？」
「ん、どうし……あっ」
そこに座っていたのは、本丸で出逢ったあの真っ白な青年だった。
「あ、えっと…名前なんですっけ」
「鶴丸だ。覚えてくれ…。」
「やってしまった」というような感じで溜息をつく彼は、再び私の方を向いてこう言った。
「なあ君、俺たちの用心棒にならないか」
その言葉に最初は動揺…というか、驚いた。
この機会を逃せば、おそらく私はしばらくしてそこら辺で飢え死にするだろう。
なら、いっそのこと本当にこの人たちの用心棒になるのがラクなのでは…？
そこまで考えた後、私の口からするりと言葉が溢れ落ちた。
「いいですよ」
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にわ(プロフ) - クンミンさん» お話ができあがり次第更新しているので、一日に何度も投稿することになっていまってます…笑 前作から読んでくださってありがとうございます！ これからも本作品をよろしくお願いします！ (2021年2月5日 23時) (
レス) id: f389216039 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 更新回数が何度もあってワクワクしながら読ませてもらってます。続編ありがたいです。また楽しみができて嬉しいです^ ^ (2021年2月5日 21時) (レス) id: fd1b39684c (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - Mikomikoさん» ありがとうございます！他作品でもリクエストしてくださって嬉しかったです...！なかなかリクエストにお答えできておらず申し訳ないです...泣 本作品もお楽しみくださいね！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: ae673d749e (このIDを非表示/違反報告)
Mikomiko - 続編おめでとうございます！こういう感じの話を待ち侘びていました……(〃ω〃) (2021年2月3日 20時) (レス) id: 4ec99752b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にわ | 作成日時：2021年2月2日 15時
