その52 ページ25
私の抵抗も虚しく、どんどんと本丸から遠ざかっていく。
そのまま山に入り込んだかと思えば、一瞬で景色が変わりどこかの城の中へ入りこんでいった。
「ここの城は…」
そこは以前、私を雇っていた主の城だった。
状況がまったく掴めずそのまま城の中に入れられ、遡行群は私を城の中の一室に放り投げた後姿を消してしまった。
床に打ち付けられる前に受け身を取り、なんとか呼吸を整える。
「あいつらの目的は何だったの…？
歴史を改変する奴等って言ってたけど…」
なぜ、一度忍をやめた私を再び城に戻そうとしたのだろうか？
放り出された一室で考えていると、誰かが急に障子を開ける。
「あ……」
そこに立っていたのは、かつて私に命を下していた主であった。
「お前…戻ってきてくれたのか！
里を追われたと聞いていたが…。」
「一度、里へ戻ったのですが…その、色々ありま
した。
貴方はどこへ行かれていたのですか」
ある程度長い間仕えていた為、砕けた口調でやりとりをする。
「すまないな、俺は一度城を出て身を隠していた。
戦況が悪くなっていく一方でな…。
だが、お前が戻ってきたとなれば話は別だ。
今すぐにでも忍としてまた貢献してくれないか？」
その言葉に、ドクンと心臓が跳ね上がる。
脳裏によぎったのは、鶴丸さんの言葉。
"もし…君が仕えていた主が見つかったとしたら、
君はその主の元へ戻って、再び忍として生きて
いくのか？"
はっと気が付いて耳飾りを触るが、痛みは無い。
恐らく鶴丸さんも今は眠っている為、私がいなくなったことに気付いていないんだろう。
「お前は本当に優秀だった。
いつだったかの戦では、お前がいなければ確実に
負けていた場面もあったな。
どうだ、また忍として_____」
「すみません、お断りします。」
私がかつての主を見てキッパリとそう言うと、彼は顔を曇らせて「なぜだ？ お前の主は私のはずだろう？」と言う。
「里をなくしてから…私を助けてくれた人がいるんで
す。その人が今の私の主のようなものなんです。」
もう二度と、本丸のみんなを裏切ったりはしない
そう覚悟を決めて言い切ると、先ほどよりも低い声で彼は言った。
「いいや、そんなことは認めない。
お前は此度の戦でも忍として任務に入ってもらう。
お前の任務は、この戦の邪魔をしようとする者を
排除することだ。
例えそれが、お前の命の恩人であってもだ。」
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にわ(プロフ) - クンミンさん» お話ができあがり次第更新しているので、一日に何度も投稿することになっていまってます…笑 前作から読んでくださってありがとうございます！ これからも本作品をよろしくお願いします！ (2021年2月5日 23時) (
レス) id: f389216039 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 更新回数が何度もあってワクワクしながら読ませてもらってます。続編ありがたいです。また楽しみができて嬉しいです^ ^ (2021年2月5日 21時) (レス) id: fd1b39684c (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - Mikomikoさん» ありがとうございます！他作品でもリクエストしてくださって嬉しかったです...！なかなかリクエストにお答えできておらず申し訳ないです...泣 本作品もお楽しみくださいね！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: ae673d749e (このIDを非表示/違反報告)
Mikomiko - 続編おめでとうございます！こういう感じの話を待ち侘びていました……(〃ω〃) (2021年2月3日 20時) (レス) id: 4ec99752b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にわ | 作成日時：2021年2月2日 15時
