その48 ページ21
演練は、忍びの任務をしていた時によく見かけていた合戦とは全く違った。
皆比べ物にならないほど強い。
「みんな、こんなに強かったんだ…」
自分で呟いたその言葉に、自分で首をかしげる。
「私、本当に必要ですかね」
「どういうことだ？」
演練の様子をじっと眺めながら、鶴丸さんはそう言う。
「だって皆さん充分強いですし…用心棒なんか要らないと思うんですけど」
「君にしかできないことが沢山あるのさ。
戦では様々な能力が必要になるが、俺たちは得意分野が偏りがちだから君みたいにまんべんなく
優れている用心棒が居てくれるとかなり助かるんだ。」
さらっと褒めてくれたことに少し恥ずかしくなりながら、私は演練のほうに視線を戻す。
もう終盤に入りかけていて、三日月さんともう一人の青年の一対一になっていた。
「三日月とやり合ってるのは大包平だな」
「大包平、さん…」
綺麗な赤髪をしている大包平さんは、肩を揺らしながら息を整える。
その様子とは対照的に、三日月さんは余裕綽々といった様子だ。
「三日月さん、体力が有り余っているように見えますけど…」
「逆だな」
「逆？」
「三日月は疲れてれば疲れてるほど余裕そうに見えてくるんだよ。
体力有り余ってる時ならさっさと大包平を吹っ飛ばしてるさ。」
そうなんだ…と思いもう一度三日月さんの方を見ると、こめかみのあたりから首に汗が伝ったのが見えた。
「そろそろだな」
鶴丸さんがそう言うと、耳が痛くなるくらいに大きな音が鳴り、誰かが倒れる音が聞こえた。
「あ…」
中央を見ると、大包平さんが尻餅をついていた。
「そこまで！
第二部隊の勝利！」
.
「お疲れ様です」
演練が終わり、鍛錬場から人が少なくなっていく。
その中で、私は三日月さんのところへ手ぬぐいを持って行った
「あぁ、助かる
ありがとうな。」
彼はそう言うと、着ていた装束を一枚脱ぐ。
「わ、すごい綺麗なお身体してますね。」
見たことの無い肉体美を目の前にして、そんなことを口走ってしまった。
まずい、こんなこと言ったら変態だと思われてしまう。
どうしようと思い三日月さんの方を見ると、驚いたような表情でこちらを見ていた。
「すいません、気色の悪いこと言ってしまいました…！」
耳まで熱くなるほどの恥ずかしさを感じていると、彼はこちらに一歩踏み出してくる。
「嬉しいことを言ってくれる。
なんならこの身体に一度抱かれてみるか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 240人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にわ(プロフ) - クンミンさん» お話ができあがり次第更新しているので、一日に何度も投稿することになっていまってます…笑 前作から読んでくださってありがとうございます！ これからも本作品をよろしくお願いします！ (2021年2月5日 23時) (
レス) id: f389216039 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 更新回数が何度もあってワクワクしながら読ませてもらってます。続編ありがたいです。また楽しみができて嬉しいです^ ^ (2021年2月5日 21時) (レス) id: fd1b39684c (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - Mikomikoさん» ありがとうございます！他作品でもリクエストしてくださって嬉しかったです...！なかなかリクエストにお答えできておらず申し訳ないです...泣 本作品もお楽しみくださいね！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: ae673d749e (このIDを非表示/違反報告)
Mikomiko - 続編おめでとうございます！こういう感じの話を待ち侘びていました……(〃ω〃) (2021年2月3日 20時) (レス) id: 4ec99752b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にわ | 作成日時：2021年2月2日 15時
