192話 殴るフリ ページ48
「アンダインさんっ!とりあえず話は後にして、早くここを出ましょう!」
彼女に声を掛けると、今度は私に槍が向いた。
「ニンゲンのくせに指図するなッ!それに、私は…まだお前たちと決着をつけていない!」
ダ…ダメか…
いや、まだ諦めるな、私!
「お、落ち着いてください!その前に一旦出ないと、決着つける前にお互い焼け死んじゃいますよ!?それじゃ意味ないです!」
ただ止めるだけでは、相手は納得しなさそうだと思った私は、そう説得した。
…説得になってるかどうかの自信はないけど、こっちもなりふり構ってられない。
しかし、彼女は「…認めたくないが、確かにそうだな。分かった」と、悔しそうな表情ではあるが、納得してくれた。
その様子に、私は少しホッと…してる場合じゃない。
外に出て、家から距離の離れたところで、アンダインさんは「さあ、全力でかかって来い!」と、槍を構えた。
「その前に…お願いがあります。フリスクに攻撃はしないでください。私が受けて立ちます!」
「A!?」
私がそう宣言すると、フリスクは慌てた。
パッピやメタトンさんも、驚いていた。
フリスクを、私は笑顔で「大丈夫だから」と落ち着かせる。
「分かった。」
…落ち着け。いつも通り、分析するのだ。
アンダインさんのATKは41、DEFは21か…強そう。
「何をしている!?早くかかってこい!」
アンダインさんに怒鳴られ、思わず「は、はいぃっ!すみません!」と反射的に謝った。
こ、怖ぇー…!!
でも彼女は、こちらの先制攻撃を待っているようで、向こうから攻撃してくる気配はない。
コマンドの選択肢は、「分析」と「殴るフリをする」の二択。
…後者しかないな。
「いきます…!」
私は腕を振り上げ、全力で殴りかかる…ギリギリの寸前で止めた。
でも、少し当たったのか、1ダメージを与えてしまい、申し訳無い気持ちになった。
握った拳は、ぷるぷると情けなく震えている。
「なんだと…?それが貴様の全力か…?貴様は、どうしても私を傷付ける意志は持てないと言うのか…?」
アンダインさんは、驚愕の表情でこちらを見ていた。
私は、上げていた拳を下ろし、頷いた。
そして、頭を深く下げる。
「すみません…受けて立つとか言っておいて、情けないですよね…。でも、やっぱり…あなたを倒すことはできません!」
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のん猫??(プロフ) - 雪水うさぎもちさん» 雪水うさぎもちさん、コメントありがとうございます!アンテの中で一番好きと言っていただけて嬉しいです…!とても励みになりました!不定期ではありますが、これからも更新頑張っていきたいと思います! (2022年12月3日 14時) (レス) id: 24741bde4e (このIDを非表示/違反報告)
雪水うさぎもち(プロフ) - アンテの夢小説でいちばんこれが好きだから! (2022年12月3日 14時) (レス) id: 75fc25324b (このIDを非表示/違反報告)
雪水うさぎもち(プロフ) - (;_;)更新待ってるからいつでも (2022年12月3日 14時) (レス) id: 75fc25324b (このIDを非表示/違反報告)
のん猫??(プロフ) - なちこさん» なちこさん、ありがとうございます!そうだったのですね!それは光栄の極みです…!大幅に修正することに決めましたが、変えないところはそのままにしたり、ギャグシーンは残します!コメント励みになりました!頑張ります! (2021年9月6日 17時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
なちこ(プロフ) - 初めてコメントします。アンテにハマって、最初に読んだ夢小説がこちらのお話でした。テンポよくギャグテイストで進められる物語に夢中になって読んでしまいました!大幅修正とのことでしばらく読めなくなるのは残念ですが、再開楽しみにしております!応援してます (2021年9月6日 15時) (レス) id: d3058cd882 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年8月15日 22時