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106話 せめて一言のお礼を… ページ10

─Aside─

「──A…A!」

誰かに名前を呼ばれる声が聞こえ、私はゆっくりと目を開けると、フリスクとキャラが、心配そうに私を覗き込んでいた。

「A!良かった!気がついたんだね!」

「やれやれ…お前は本当に心配ばかりかけさせるな。」

フリスクは安堵の表情で、キャラは呆れ混じりの表情で私を見ている。
そこで、私はようやく思い出した。

疲れで集中力が切れて、足がもつれてコケたことを!
しかも、コケた時に、おでこを地面にぶつけたから、それで気絶しちゃったんだ…。

やらかしたー!
かっこ悪いなぁ…。

「二人とも、心配かけてごめんね。…ここは?」

私は二人に謝りつつ、そう聞くと、フリスクが答えた。

「えっとね…パピルスさんとサンズの家のガレージだよ。パピルスさんがここまで運んでくれたんだ。」

「そうか…パピルスさんにも、迷惑かけちゃったな…。」

そう言いながら起き上がり辺りを見渡すと、骨みたいなおもちゃと、ペット用の餌が用意されていた。
それと一緒に、書き置きがあるので読む。

『悪いが、アンダインが来るまでこの部屋で大人しくしといてもらう。ごゆっくりおくつろぎください!お食事と休憩場所もご用意しました!ニャハハのハ パピルスより』

パピルスさん…。
ツッコミどころはあれど、ここまでしてくれるなんて、本当にこの人はとても優しいな。

彼の言う通りに、アンダインっていう人が来るまで大人しくしてた方がいいのかもしれない。
でも…せめて一言だけでも、お礼は言いに行きたい。

「…どうする、A?」

問いかけるキャラに、私は即座に答えた。

「パピルスさんのところへ行くよ!せめて、お礼ぐらいは言いに行きたいもん。」

「そうだね。…そこのゲートも通れそうだし!いこっか!」

フリスクの言う通り、ゲートは普通に通り抜けられ、ガレージから簡単に出られた。

そして、もう一度、あの霧に包まれた道を歩くと…やっぱり彼はいた。

「あっ!コラ!勝手に出ちゃダメでしょッ!迷子になったり何かあったら、どうするの!牢に戻って!」

パピルスさんは、私達に気付くなり、そう叱った。

「すみません!でも、お礼を言いたくて。フリスクから聞いたんです。私を運んでくれたのは、パピルスさんだって。」

謝りつつも、そう言うと、彼は目を見開いた。

「え…?貴様達は…それだけの為に、わざわざここに来たのか?ゲートを抜け出してまで?」

私とフリスクは、頷いた。

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のん猫??(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに外します! (2021年7月8日 12時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年7月8日 12時

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