143話 落ち込むよりもできる事を… ページ47
─サンズside─
オレも、パピルスの「ニンゲンのソウルを奪って地上に出る事も間違ってる」という意見に同意だ。
過去に、ニンゲンがモンスターを虐殺したのは事実だが、こいつらは、モンスターを誰一人殺したり、傷付けたりしていない。
むしろ、友達になったり、困っているモンスターがいたら助けてたりしていた。
オレは、陰から二人の行動を見守っていたから、それが分かるんだ。
確かに、残酷なニンゲンや悪いニンゲンもいるが、だからって安易に殺すのはどうかと思うぜ。
この二人のように、罪のないどころか、むしろいいヤツらだっているんだからさ。
オレは、基本的に平和主義だし、争いなんて好きじゃないからな。
尚更そう思うんだ。
弟や友達が殺されるなど、余程の事がない限りは、手を出す気はない。
そもそも、おばさんとの約束もあるしな。
「確かに、ニンゲンのせいでたくさんのモンスターが犠牲になった事は否定できないが…アンタらは、モンスターを傷付けたりはしてないだろ?」
オレがそう問い掛けると、Aとフリスクは、大きく頷いた。
「もちろん、してないし、これからも絶対にそんな事しない。」
「ぼくも。モンスターを傷付けるなんてできないもん!」
Aとフリスクが、力強くそう言ったのを聞いて、オレは内心ほっとしていた。
「それなら、アンタらが傷付けられる理由だってないはずだ。ニンゲンにやられたからって、オイラ達までやり返したら、それこそニンゲンと同じだ。それじゃ争いはなくならないぜ。」
「サンズ…」
「それに、いくら落ち込んだって、起こっちまった事は変えようがない。それよりも、これからできることを探してやっていけばいいんじゃないかなって、オイラは思うよ。」
オレが思った事を言うと、パピルスは目を開いて、驚いた顔をしていた。
ん?オイラ、そんなに変なこと言ったかな?
「に…兄ちゃんが、珍しくいいこと言ってる…!これは、そのうち槍でも降るかもしれないぞ…!」
パピルスの発言に、Aとフリスクは、吹き出した。
「あはははっ!でも、サンズの言う通りだね!私達にできることは、モンスターと仲良くなること。とりあえずは、それを地道にやっていかないとね!」
「そうだね!なんだか、元気出てきた!サンズ、パッピ、ありがとう!」
ようやく、神妙な顔をしていた二人から、笑顔と元気が戻った。
やっぱり、こいつらには笑顔が一番似合うな。
オレは、素直にそう思った。
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のん猫??(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに外します! (2021年7月8日 12時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年7月8日 12時