132話 早いもん勝ち? ページ36
─キャラside─
「あー!そんな事よりッ!お宝目指してれっつらご〜!」
Aは、早口でそう
「あのだらしのない笑い方、絶対冗談じゃないだろ…。」
私はボソッとそう呟いたが、Aには届いてないだろう。
「A!待ってー!オレ様も行くーッ!」
パピルスも、Aに続いて走り出した。
「ふふふ…二人とも走って行っちゃったね。」
先に行った二人を見て、くすくすと笑うフリスク。
…こいつの方がよっぽど大人だな、と思う。
「ハハハ、元気でなによりだな。さて、オイラ達も行こうか。…近道でな?」
サンズ…お前、また近道を使うつもりか。
呆れて溜め息をついていると、いつの間にか景色が変わっており、滝の目の前に来ていたようだ。
一方、先に走って行ったはずの二人は。
「ちょ…パッピ!君のお兄さん、もうあそこにいるんだけどー!?」
「なぬッ!?こらーッ!兄ちゃんッ!近道を乱用するなんて、ずるいぞーッ!」
息を切らしながら、Aはサンズを指差して焦ったように言い、パピルスはサンズに非難の声をあげる。
…ふふふ、残念だったね、君達?
慌てて走る二人が面白くて、私はつい意地の悪い笑みを浮かべてしまう。
「へへ、早いもん勝ちだよ。なぁ、フリスク?」
「いや、さすがに瞬間移動はずるいと思うよ。サンズ…。」
「oh…」
サンズは、フリスクにそう振ったが、フリスクはやんわりと返した。
彼は、返す言葉がないと言わんばかりに肩を竦(すく)めた。
「はぁはぁ…つ…疲れたぁ〜…」
しばらくして、二人はようやく辿り着いた。
Aは息切れしていて、疲れた様子だった。
「ニャ?A、もうへばっているのか?だらしないぞ?」
パピルスの方は、元気らしく、息切れなど一切していない。
これが、怠け者のニンゲンと、訓練で鍛えられたモンスターの差か…。
そして、パピルスにだらしないと言われたAから、ガーン!という効果音が聞こえたような気がした。
「ほらほら、お宝取りに行くんだろ?」
Aは、サンズのその一言に「はっ!そうだった!」と気を取り直した。
Aのその切り替えの早さに、私は微笑ましい顔でやりとりを見ているフリスクの隣で、「現金な奴だ」と呟いた。
A達が滝のすぐ前まで近付くと、何もなかったはずの場所に、入り口が現れた。
仕掛けに内心関心しつつも、そのまま中へと入っていった。
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のん猫??(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに外します! (2021年7月8日 12時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年7月8日 12時