131話 頼りになるヒーローとろくでなし少女 ページ35
─フリスクside─
「あああれえええ〜!?」
Aの気の抜けるような悲鳴が、洞窟内で響き渡る。
彼女は、岩にぶつかって落ちてしまったのだ。
下で咲いているエコーフラワーを見つけ、それに気を取られて、すぐ近くまで落ちて来た岩に気付かず…。
どうしようと焦りながら、助けを求めるように、サンズ達を見たが、なぜか彼らはここにいない。
いつの間にいなくなったの…!?
いや待って…もしかしたら、サンズの瞬間移動を使って、2人でAを助けに行ってくれたのかも…。
そう思いながら、急いで滝の流れる小さな川を渡り、「A、大丈夫!?」と声をかけ、彼女の無事を確認する。
「フリスク〜!無事だよーっ!!」
「オレ様が助けたから大丈夫ッ!」
Aの返事は、パッピの声と共に、すぐ返ってきた。
Aは、無事だったみたい。
良かった。
やっぱり、二人が助けに行ってくれたんだ。
キャラと共に、A達のところへ向かい、ぼくは思いっきりAに抱きつく。
「無事で良かった!びっくりしたんだからね!」
「ごめんごめん。でも、二人のお陰で助かったよ。」
そう言って、Aは、パッピとサンズに目をやる。
パッピは、ウインクして、親指を立てた。
「パッピ!Aを助けてくれてありがとう!」
「オレ様はヒーローだからな!仲間を助けるのは当然のことだ!」
ぼくがパッピにお礼を言うと、彼は腰に手を当て、L字の形にした指を顎の方に持っていき、ポーズを決めて、眉をキリッとさせた笑顔で言い切った。
そんな彼を、ぼくは改めてかっこいいなと思った。
その後、Aが気にしていた、近くのエコーフラワーのところへ行ってみた。
触ってみると、『あそこには、絶対に何かあった…落ちてくる水の裏側だ。』と再生された。
「水の裏側か。もしかしたら、さっきの滝のところかもしれないな!」
「かもな。行ってみる価値はあるんじゃないか?」
パッピがそう見当をつけ、サンズもそれに頷く。
「お宝アイテムだといいなぁ…。」
「うへへへぇ…」としまりのない笑みで、欲深い発言をするAに、ぼくは苦笑いを浮かべる。
「まったく…お前は、相変わらずろくな事を考えてないな…。」
キャラの呆れたような視線が、Aに突き刺さる。
「じょ、冗談だよっ!ジョーダン!」
「どうだかね?」
Aは、慌てて小声でそう否定するものの、キャラには全く信用されていないようだ…。
どんまい、A…。
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のん猫??(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに外します! (2021年7月8日 12時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年7月8日 12時