130話 ツケ ページ34
─Aside─
「よし、そうと決まれば、行くとするか。」
サンズはそう言うと、
そして、何かを思い出したような顔をした。
「あ…そうそう。」
「ん?どうしたの?」
「オイラ、金欠だったのを思い出したよ。お前さんにお勘定、頼んでいいか?」
「はい!?」
まさかの一言に、私とフリスクは唖然となった。
何を言うのかと思ったら…金欠かーい!
「奢るって言ったじゃんよー!!」と心の中で号泣する。
そして追い打ちを掛けるように、サンズは、「10000ゴールド、ポッキリだ。」と高過ぎる値段を設定する。
そういや、前にもこんな事あったなー…。
あの時も冗談って言ってたし、今回も冗談だよね、多分…。
「ちょっと兄ちゃん!そんな冗談言ってA達を困らせちゃダメでしょッ!」
「へへへ、バレたか。パピルスはなんでもお見通しだな。」
パッピが叱ると、サンズは、悪びれることなくそう返した。
やっぱり冗談だったようだ。
良かった…。
私達がほっとしていると、サンズはグリルビーさんに「そんじゃ、グリルビー、今日もツケにしといてくれ。」と頼んだ。
私とフリスクは、驚きと呆れで口が開きっぱなしになる。
ずっと黙って様子を見守っていたキャラも、「おいおい…」と言わんばかりに呆れていた。
「兄ちゃん…またツケをためてるの!?」
当然、パッピも驚愕と呆れが混じった表情だ。
「ああ、"コツコツ"とためてるぜ?"骨"だけにな?」
例のポーズと効果音がつきで、ダジャレを言うサンズに、パッピは怒った。
「骨だけにな?…じゃぬぁーいッ!もう!信じらんないッ!」
コツコツためてるって言っても、貯金とは違うからな…ツケだもんな…ははは…。
グリルビーさんは、何を言うでもなく、淡々と仕事をしている。
…もう、慣れてるんだろうな。
パッピは、グリルビーさんに平謝りした後、ツケをサンズの代わりに払った。
その時に、自分達の分は、自分達で払おうとしたけど、「今回はオレ様が特別に奢るよ!」と言って払ってくれた。
申し訳ないやら、有り難いやら。
まったく、パッピはできた弟だよ。
グリルビーを出て、洞窟まで戻り、サンズが仕事していた小屋を通り過ぎる。
その先に、滝と岩が流れているのが見えた。
どうやら、この流れてくる岩を避けながら、滝を渡らないといけないようだ。
岩にぶつかったら落ちそうだし、気をつけて行かないと…。
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のん猫??(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに外します! (2021年7月8日 12時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年7月8日 12時