127話 やる気と情熱と根性で… ページ31
─Aside─
和やかな雰囲気になってきたところで、グリルビーさんがポテトを持って、カウンターに戻って来た。
「お、メシが来たみたいだな。ほら、コレ使えよ。」
人数分のポテトがカウンターに置かれると、まずサンズがケチャップをかけた後、私にそれを渡す。
ボトルを傾けるが、キャップが取れて、ケチャップが全部お皿に
「わああっ!?ご、ごめん!」
慌てて私が謝ると、サンズも「あ〜…悪い悪い、オイラがちゃんとキャップを締めてなかったぜ。」と謝った。
そして、「オイラのと交換してやるから。」と、ケチャップの塊と化したポテトの乗ったお皿を取り上げ、自分のポテトが乗ったお皿の方を差し出してくれた。
「で、でも…悪いよ…」
「オイラ、ケチャップが好きだからさ。ケチャップがたっぷりかかってる方がいいんだ。だから、気にするな。」
「そうそう!兄ちゃん、家でも、よくケチャップ飲んでるくらいだからな!心配は無用だッ!」
私が遠慮していると、サンズはウインクしてフォローを入れる。
パッピも、うんうんと大きく頷きながら、そう言った。
の…飲むほど好きなのか。
それなら、お言葉に甘えてそうしよう。
「じゃあ…ありがたく頂きます!」
私の言葉に、サンズは親指を立てて、笑った。
ポテトを口に運びながら、私は、前から少し気になっていたことを尋ねてみた。
「前から気になってたんだけど、パッピって、どうやってロイヤルガードに入ったの?」
「うむ!よくぞ、聞いてくれた!ロイヤルガードの隊長の家まで行って、"入団させてくれ"って頼み込んだのだッ!でも、相手にされなかった…」
パッピは、得意気に話しだしたかと思うと、俯いてしょんぼりとした。
「え、どうして?」
今度は、フリスクが首を傾げて尋ねると「真夜中だったからなッ!」と言う返答が返ってきて、私は、そりゃそうだ…と力なくツッコみを入れながら脱力した。
真夜中はあかんで…パッピ…!
「それは、断られてもしかなたいね…」
フリスクも、苦笑いを浮かべていた。
そこで、サンズのフォローがすかさず入る。
「でも、パピルスは、朝まで隊長の家の前で待ってた。そのやる気と情熱に免じて、稽古をつけてもらえる事になったんだ。まだ訓練中なんだけどな。」
「す…すごい…!」
私と、フリスクの声がまた重なった。
パッピの根性、半端ないな。
努力家と言う言葉だけで、片付けられない気がした。
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のん猫??(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに外します! (2021年7月8日 12時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年7月8日 12時