119話 彼の告白 ページ23
「君のくるくる変わる魅力的な表情…君のファッションセンス…君の愛と友情と丹精こもったスパゲティ…!すべてに夢中さ…!」
うん…もう、何も言えないよ…。
「そうか…。A、フリスク…オレ様は、貴様達にも幸せになってほしいと思う。だから、今…オレ様のキモチを告白しよう。」
決心したような声で、パッピは言う。
「ついに伝えるときが来た。この偉大なるパピルス様は…オレ様は…その…」
彼がそう言いかけたところで、真っ白だった部屋は、霧が晴れたように元に戻った。
「…なんか、ちょっと暑くないか?オレだけ?」
パッピは熱を冷ますように、手で顔の近くをパタパタと扇いでいる。
「いや、私も」
「お前は、ちょっと黙ってろ。」
Aが同意しようとするけど、それに被せてキャラがたしなめる。
一瞬だけ、しゅん…とすねた顔になったAが可愛らしくて、笑いを堪える。
「えーと…その…A、フリスク…」
彼は、まだ気まずそうにしていたけど、意を決して口を開いた。
「すまない。オレ様は、二人の事が好きだが…どちらも恋人同士の好きとはちょっと違う。」
申し訳なさそうに、そう言った彼に、ぼくは安心した。
良かった。ぼくもだよ、パッピ…。
「オレ様なりに、頑張ってはみたよ!貴様達に口説かれたから…とりあえずデートをすれば、どっちかを好きになれるかなって…!」
目をキョロキョロさせながら、パッピは続ける。
「二人の気持ちに応えられるかなって!でも残念ながら…それは、オレ様の思い違いだったようだ…。やっぱりオレ様の気持ちは変わらない。」
今度は、眉をハの字に下げ、私達から目を逸らす。
「そのうえ、デートなんかしちゃったせいで…貴様達を、もっとオレ様に夢中にさせてしまった…。二人の気持ちに火を付けてしまった!貴様達を出口のない愛のオリに捕らえてしまったのだ…。」
申し訳なさそうに、続けるパッピ。
それにしても、台詞が妙にかっこいいな…。
ぼくは、心の中で、思わず感心してしまった。
「大切な友達に、なんてひどい事を…!」
そう言うと、パッピは項垂れてしまった。
そ、そこまで深刻にならなくても…。
「…パッピ、顔を上げて?」
そう声を掛けたのは、Aだった。
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のん猫??(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに外します! (2021年7月8日 12時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん猫?? | 作成日時:2021年7月8日 12時