地下世界に迷い込んだ少女【第3章】 (ページ21)

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117話ついにスパゲティを食べられる時が来た！ページ21

─フリスクside─

「ぼ、帽子から…」

「プレゼントが出て来た…！？」

浮き上がった帽子の中から、なんとプレゼントが現れ、ぼくとAは驚いた。

しかも、二つも。
よく入ったなと思う。
パッピの帽子、どうなってるの…！？

「これは、二人へのプレゼントだ！開けてみろ！」

ニコニコと促すパッピに、ぼく達はお礼を言いながらプレゼントを受け取り、リボンを解いて箱を開ける。
中身は、スパゲティだ。
とっても美味しそう。

「これがなんだか分かるか？」

パッピに聞かれて、ぼくは笑顔で「スパゲティ！」と答える。

「…だと思っただろう。」

パッピの反応に、ぼく達は、しばし固まった。
違ったのかな…？
おそるおそる、パッピの言葉を待つ。

「その通りだっ！」

「うおおおいっ！合ってるやないか！」

返ってきた回答に、Aは盛大にずっこけ、速攻でツッコミを入れた。
ぼくは、良かったとホッと胸をなで下ろす。

「スパゲティなのは正解だ。しかし、二人は大きな間違いを一つ犯しているッ！ただのスパゲティではないのだ！職人が丹精(たんせい)込めて…木のタルで、じっくり熟成させたのち…マスターシェフのパピルス様が料理したもの！」

なるほど、つまりパッピが愛情込めて作ってくれたスパゲティなのか。
この前は食べられなかったけど、ついにパッピの作ったスパゲティが食べられることに、嬉しさを感じる。

「さあ、遠慮せずに食べるがよいッ！」

「それじゃ…ありがたく…」

「いただきます！」

パッピが勧めたのを合図に、Aとぼくは手を合わせ、フォークを使い、スパゲティを口に運ぶ。

口に運んだ瞬間…ぼくは、思わず顔をしかめてしまった。
なんとも言えない、超個性的な味だ。

チラリとAを見ると、「むむむ…」と、顔をしかめている。
Aも、ぼくとおんなじ反応だ…と思った。
でも、次の瞬間、Aの口から驚きの言葉が出る。

「パッピ…！このスパゲティ、めちゃくちゃおいし〜っ！！」

……え！？
A、本気で言ってるの？
それとも、演技かお世辞で言ってる…？

でも、彼女の表情は、とってもいい笑顔だ。
なんなら目を輝かせて、感動すらしている。

天使が下りてきたような…なんだか幸せそうな笑顔…。
も、もしかして…Aって…。
あ…味オン……い、いや、これ以上は、思っちゃだめ…！！