地下世界に迷い込んだ少女【第3章】 (ページ1)

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97話　ソウルと魔力についてページ1

─Aside─

モンスターの歴史の本を閉じ、次は魔力について書かれている本を、手に取って読む。

『魔力で構成されているモンスター達の体は、ソウルと連動する。このため、戦いを望まぬモンスターは、防御力が低下する。』

ここまで読んだところで、フリスクが口を開いた。

「そういえば、モンスターって魔法が使えるんだよね？」

「そうだね。しかもソウルと連動してるみたい。」

戦いを望まぬモンスターは、防御力が低下する…か。
モンスターじゃないけど、戦いを望まない私達も、防御力は低いよな…多分。
こりゃ、気をつけていかないと。

『更に敵が残忍であるほど、受けるダメージは大きくなる。したがって、強力なソウルの持ち主から、殺意を込めて攻撃されると…』

もう少し読み進めると、今度は物騒な事が書かれており、背筋が凍るのを感じた。

「なんか…怖いね…」

フリスクも、私と同じ気持ちらしい。

「う…うん…」

先を読むのが怖いなぁ…と思いつつも、結局気になるので、そのまま読み進める。

『…気がめいる話はこのくらいにして、ケーキのレシピでも記しておこう。』

一気に気が抜けた。
読んでる側も怖いんだけど、書く側もこの話はやっぱり嫌なのね…。

とりあえず、殺意ある者や、残忍な奴の攻撃力が半端なく強いのは分かった。
特に殺意を持っている奴は…

うおお…自分で考えといて怖くなってきた…。
これ以上は止めにしよう。

読み終えた後、気分を変えるために別の本を読む事にした。
手に取った本は、なぜかタイトルがない。
首を傾げながら開く。

『私は今…こうして本を書いている。』

お…おぅ…。

「あ…うん…」

「それは見れば分かるが…」

これには、フリスクとキャラも微妙な反応をするしかない。

『たった今、部屋に誰かが入ってきて本を手に取った…そして読み始めた…！』

リアルタイムで状況を説明してて、続きが気になる書き方だな…。
それで…続きは…！？

『おっと失礼。その本はまだ書きかけだ。』

なんと文字はそこで終わっており、後は白紙だった。
書きかけかーい！！

「か…書きかけだったのか…」

「もう何でもありだな…」

フリスクとキャラは、力なく笑った。
地下世界の図書館は、ツッコミ所の宝庫だな、と思った。